そんな中、50年前に比べて約2倍に増えている自治体がある。長野県南部に位置する南箕輪村だ。1975年は約7600人だったが、2025年は約1万6000人になった。7日放送のTBS「ひるおび」がこれをレポートした。
住民の7割以上が移住者で、12年前に移住した女性はインタビューに「待機児童がゼロで、親にとっても働きやすい環境が整っていた」と答えた。村最大の魅力は教育で、保育園が6カ所、小・中・高だけでなく信州大学のキャンパスもある。そして、山に囲まれている安心感を理由に挙げる移住者もいて、取材した日はエアコンなしで室内温度28℃だった。冬もそこまで雪が深い印象はないそうだ。
日本人が減っている一方で、日本に住む外国人はコロナ禍の一時期を除いて、ずっと増えている。東京大学の山口慎太郎教授は「優秀な人材は世界で奪い合っている状況。自治体は外国人が気持ちよく住めるような環境づくりをして誘致、共生することが大切」と語る。
実際、外国人の受け入れと環境整備をする自治体は増えている。宮城県大崎市は今年3月「市立おおさき日本語学校」を開校した。10~60歳代の28人が学んでいるという。千葉県富里市は「外国人のための生活マナーマニュアル」を4カ国語で作成し、7月から配布し始めた。
地方に移住したいと考える都心の生活者は少なくない。番組で紹介された南箕輪村以外にも子育て支援の手厚い自治体は数多くあるからだ。しかも、移住すると無料で住める家がもらえるという手厚い住宅支援をしている自治体もある。
東京を脱出すればタダで戸建ての家が手に入る……、にもかかわらず地方移住できないのは仕事の問題があるからだ。移住先でできる仕事の職種はかなり限られてしまう。働き口を確保・提供しない限り、地方の過疎化は止まらない。