13日からは警察官が、ライフル銃を使ってのクマ駆除が可能になった。同日からクマ駆除任務を行う秋田、岩手の両県では、警察のクマ駆除対応プロジェクトチームが始動。出動式後に、早速ライフル銃を使っての駆除が始まった。
地元の猟友会だけでは対応できず警察までも動き出す緊急事態となっている。一方、関西地方の兵庫県は以前からクマと向き合い、クマによる被害が23年度ゼロ件、24年度2件、今年度(9月末まで)1件と比較的低く抑えられている。
兵庫県はクマに対して、①20年以上前から捕獲したクマにマイクロチップを付けて放つ②次の捕獲期間で捕まえたクマのチップの有無を確認③チップ付きのクマの比率により年ごとの個体数を推定する――という流れでクマの頭数を把握し、設定した目安の数で管理している。
具体的には800頭を目安としており、狩猟捕獲(ハンターが狩猟期間に猟をする)は推定生息数400頭未満、400~800頭のときは禁止。800頭以上の場合は可能。有害捕獲(農作物、家畜、人に被害があるとき)は400頭未満のときは可能な限り殺処分せず、400~800頭、800頭以上のときは原則殺処分と決まっている。
また兵庫県のクマ専門職員は16人と全国最多で、クマに関するデータの分析と蓄積があるため、クマ被害が少なく抑えられているといえそうだ。
一方で東日本では、頭数把握は5年に1度というところが多く、個体数の推定をしておらず、増減を把握してない。さらに予算、人材、体制などが不十分という問題も指摘されている。
2020年の調査では、岩手県は約3700頭、秋田県が約4400頭と、もともとクマの頭数が多いため、単純に兵庫県がモデルケースになるとは言い切れないが、今後は国の支援のもと、クマ管理のための実態把握と体制整備が急務になる。

