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中国で公開中止を免れた「鬼滅の刃」 メガコンテンツの規制は避けたい思惑も

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高市早苗首相の公式Xより

高市早苗首相による台湾有事発言で日中間の関係が悪化している。中国は日本への渡航自粛を打ち出したが、さらに17日には邦画の公開中止を発表した。インバウンド業界のみならず、エンタメ業界にも大きな影響を及ぼしそうだ。

中国メディアは12月6日公開予定だったアニメ映画「映画クレヨンしんちゃん 超華麗! 灼熱(しゃくねつ)のカスカベダンサーズ」のほか、今月下旬に公開を予定していた実写映画「はたらく細胞」の上映延期を報じた。すでに前売り券が販売されていたが、各映画館が返金に応じているという。

エンタメ産業にまで影響を及ぼし始めている中で、まさに「ギリギリセーフだった」(映画関係者)作品が、日本でも大人気の「鬼滅の刃」だ。アニメ映画「劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章 猗窩座再来」の世界興行収入は、日本映画として初めて1000億円を突破。16日時点で、累計観客動員は8917万人、興行収入は1063億円に達した。同作が14日から中国で上映されていることも堅調な後押しとなっているとみられる。

中国国内にも“鬼滅ファン”は多い。もし公開中止となればファンの怒りの矛先は中国政府に向け兼ねられない。今後の政府間交渉によっては公開中止となる可能性もあるが、中国政府としても最初から“メガコンテンツ”を規制することは避けたかったようだ。

ニュースサイトの掲示板には、「一歩遅かったらと思った。でも、そこをかいくぐって公開にこぎつけた辺り、本当にツイてる映画だな」「中国のファンにとっても良かったですね。国のしがらみと作品を愛する気持ちは別だと思います」と映画の公開、上映の継続を喜ぶコメントが相次いだ。

一方で、「そもそも中国で公開しようとすることが誤りです」「チャイナリスクなんて20年以上前から指摘されているんだから、こういうこと(上映中止)も想定内だろ」と中国での公開自体を疑問視する意見も目立つ。

いよいよ娯楽にも飛び火してしまった冷えた日中関係。日本にとって中国は大きなマーケットだが、リスクも大きい。

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