社会
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社会 2023年06月13日 22時01分
「おぐらが斬る!」日本の農産物は農薬まみれ=危険だから食べるなは本当か?
筆者は高校時代に園芸科で農業を学び、農家に住み込みで働いていたこともある。そしていまも農業には興味がある。さて【日本の農産物は農薬まみれ】という話しをたまに聞く。そして日本の農薬使用量が世界トップクラスであることは事実だ。もし「農薬使用量=キケン」であるとすると、日本はもっともキケンな農産物を食べていることになる。でも本当にそうなのか?そんなことはない。まず農薬は人が一生、その農薬を使って育てた農産物を食べても、十分安全であるという基準をクリアしないと販売されないのだ。また、食べた農薬が体内に蓄積されるのでは? と思う人もいるかと思うが、現在の農薬は体内に蓄積されるものは使用されていない。では日本はなぜ農薬使用量が多いのか?理由は日本が高温多湿の風土であり、雨も多いため、ヨーロッパ等に比べて、すごく雑草が多く、害虫も多い。カビも多いのだ。「ヨーロッパには雑草がない」「虫が少ない」と言われるほどで日本と比べるのがおかしいほどだ。ヨーロッパなどと比べ、日本の場合、農家は農薬を使っても、雑草や害虫、カビが多くて対処には大変な苦労をしているのが実態。筆者が農場で働いた経験から言っても、農薬を撒いても雨が降れば農薬が流される。すると、すぐに害虫が寄ってくるため、すぐまた農薬を撒かねばならない。また海外に比べてすごく丁寧に作物を育てているので、その分農薬使用量も多くなる。よって日本農業に農薬が多いのは当たり前。では無農薬野菜等が農薬を使った野菜に比べて安全なのかというと、そうとも言えないことがわかっている。植物は害虫等から、身を守るため「天然毒」を出す。農薬と違って天然毒を出した無農薬野菜がどれほど人体に影響するかは、まだそれほど調べられていない。それともう一つ、カビ等の微生物。ある調査では、無農薬野菜はサルモネラ菌に汚染されている率が、農薬を使った野菜よりも6倍も高かったという報告もある。よって無農薬やオーガニック野菜が安全であるとは限らない。またなぜだか「日本の作物は農薬まみれ」と主張している人たちのほとんどが、「食品添加物は危険」「大手メーカーのパンは添加物まみれなのでカビがはえない」「ワクチンは危険」と主張している人であったりもする。しかしまあ、無農薬野菜が好きであるとか、安心して食べられると思っている人は、無農薬野菜を食べればいい。ただし菌や虫が野菜に混入している可能性が高いので、よく洗って食べることをオススメする。でも、日本の農作物に農薬使用量が多いからといって、キケンであるなどということはない。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年06月13日 21時00分
55歳バス運転手、運賃箱に入れず手で運賃を受け取り着服 乗客の連絡で発覚
北海道函館市の函館バスに勤務する55歳の男性運転手が、乗客から預かった運賃6660円を着服していたとして、逮捕された。 警察によると、男は5月6日、函館市から江差町に向かうバスに乗務した際、乗客が支払う現金を運賃箱に入れさせず、自分の手で受け取っていた。様子を見た乗客が「運転手が直接、運賃を受け取っている」と連絡を入れ、事態が発覚した。 その後、同社がドライブレコーダーを確認したところ、運賃箱ではなく手で受け取っている様子が映っていたため、被害届を提出。10日に業務上横領の疑いで逮捕した。取り調べに対しては容疑を認めているという。警察は余罪の可能性もあると見て、調べを進めている状況だ。いずれにしても運賃箱に料金を入れさせず、自分の手で受け取ってくすねるとはかなり異常な行動だ。 >>市バス運転手、サイドブレーキをかけ忘れトイレに行き事故「我慢していたが、限界だった」と話す<< この事件に、ネット上では「どうしてこんなことをしようと思ったのか。今の時代、監視カメラでがんじがらめになっているのに」「車内撮影のドライブレコーダーを知らないはずがない。よほど生活に困っていたということなのだろうか」「こういうやつがいるから真面目にやっているバス運転手が規則で縛られるんだよ。ふざけるなと言いたい」など驚きや怒りの声が相次ぐ。 また、「バス運転手の賃金は十分なものだったのか。そういうところまで考えるべきだ」「こういう運転手を雇ったバス会社にも問題があると言わざるを得ない」「劣悪な労働環境でストレスが溜まっているのではないか。擁護は出来ないけれど、色々考えなければいけない」などの意見も出ていた。
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社会 2023年06月13日 12時00分
旧統一教会から訴えられテレビ出演「何も無くなった」有田芳生氏が暴露、炎上発言の釈明も
6月12日放送の『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送)に、元参議院議員でジャーナリストの有田芳生氏がゲスト出演した。 有田氏は昨年10月19日に同番組にゲスト出演している。有田氏は「この番組出させていただいて、あの8日後に統一教会から名誉毀損だって訴えられまして。それまで、テレビ・ラジオいろんなところにお呼び頂いていたんですけど。去年の10月27日訴えられたのをきっかけに、ぴたっと何も無くなった」と裏事情を暴露した。 有田氏は「今日は非常にありがたい話」として、「テレビ・ラジオに出ることが自己目的じゃないんですけど、統一教会の本質を語る場が無くなってしまったという意味では、あれから今日が初めての出演なんです」と語った。 >>有田芳生氏、旧統一教会内部文書に「警察に強い国会議員対策で毎月1億円の対策費」内容を暴露<< 旧統一教会から訴えられたのは、有田氏のほか紀藤正樹弁護士、さらにほかに2名の弁護士であるという。大竹まことが「どういうわけか(鈴木)エイトさんは訴えられていない」とツッコミを入れると、有田氏も「統一教会に訊いてみたいですけどね」と疑問を示していた。 有田氏は4月に衆議院山口4区の補欠選挙にも出馬。そこで演説の場で発した「下関は統一教会の聖地」発言が炎上した経緯もある。番組ではこの件についても訊いた。有田氏は旧統一教会と下関の密接な関わりについては「かなり長く喋ったんだけど、テレビ朝日さんは一部分だけど、当然テレビですから切り取って。そこでロンブー(淳)さんが『けしからん』と言ってそれで大騒ぎになった」と経緯を振り返る。 ただ、有田氏は演説内容は旧統一教会の信者などからも聞いた「間違いないことであって。何も下関・山口を貶めるための発言ではない」と釈明した。 これには、ネット上で「有田氏や紀藤弁護士らが統一教会から訴訟され、あの鈴木エイト氏は何もなかったというのは不思議」「聖地問題に関しては、意図的に有田さんを批判するためのネタとして発信されたと思えて仕方ない」といった声が聞かれた。
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社会 2023年06月13日 06時00分
ブラサイズで無料ドリンク提供、人気バー店のキャンペーン大炎上 批判殺到で中止へ
期間限定のキャンペーンは売り上げアップのためにも、重要な取り組みのひとつだ。海外では、ある販促キャンペーンが大変な物議になっているようだ。 オーストラリア・アデレードのバー店が、ブラジャーのサイズによって、無料ドリンクを提供するキャンペーンの実施をSNSで告知し、大炎上する事態に発展した。海外ニュースサイト『Daily Mail』『abc.net』などが6月5日までに報じた。 報道によるとアデレードの中心部にある人気のバー店が、最近、自身のフェイスブック上に、最新のプロモーション実施を告知したという。投稿した内容は、ブラジャーのサイズによって、無料ドリンクを提供するというものだ。 >>女性更衣室で下着脱いだトランスジェンダー女性、公然わいせつで訴えられるも腹の肉で難を逃れる<< キャンペーン適用のためには、着用しているブラジャーを外して、バーの壁に掛けるのが条件。ブラジャーのサイズに応じて特典は異なり、Aカップなら1ドリンク無料、Bカップは2ドリンク無料、Cカップは3ドリンク無料になるという。なお、D以上については記載がなく不明だ。 ブラジャーをつけていれば男性もOKで、『大きければ大きいほどよい』『窮屈なブラジャーを外して、自由になろう』などとSNS上に投稿した。バーの投稿内容は大きな反響を呼び、コメント欄には「不適切にもほどがある」「胸のサイズで女性を格付け。これはマズイ」「セクハラ」「胸の小さい女性がみじめな思いをするとは思わなかったのだろうか」「こんな最低キャンペーンを素晴らしいアイデアだと思うバーの経営陣がクソ」といった批判の声が殺到した。 一方で、「面白いキャンペーン」「ノーブラの女性ナイト。男性客が殺到しそう」「キャンペーンは、絶対成功する」「次はナニのサイズによって、無料ドリンクキャンペーンをやれば?」「イヤならバーに行かなければよいだけ。騒ぎすぎだ」との声も聞かれた。 批判を受けて、バーの経営会社は6月4日に謝罪コメントをSNS上に投稿。「当該キャンペーンの告知によって、不快な思いをした方、ボディシェイミング(外見を批判する、意見するなどの行為)と感じた方に、心から謝罪します。当社としては、そうした意図をもって実施したわけではありません。いただいた批判を受け止め、当該キャンペーンの実施を取り止めます。再発防止に努め、お客様、スタッフが楽しめる環境づくりに努めてまいります」などとつづった。 なお、現在バーのSNSアカウントでは、キャンペーン告知の投稿は削除されている。 外見によって、受けられるサービス内容が違えば、「差別」に該当するだろう。キャンペーン実施取りやめは、賢明な判断だろう。記事内の引用についてPopular pub under fire for offering free drinks to woman based on their bra size: 'The bigger the better'(Daily Mail)よりhttps://www.dailymail.co.uk/news/article-12157517/Woolshed-Hindleys-controversial-promotion-offering-women-free-drinks-based-bra-size.htmlWoolshed nightclub apologises for urging patrons to take off bras for free drinks(abc.net)よりhttps://www.abc.net.au/news/2023-06-05/woolshed-hindley-nightclub-apologises-for-bra-post/102439850
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社会 2023年06月12日 22時01分
「おぐらが斬る!」盗撮・盗聴あたりまえ時代がきた? あなたは被害者? それとも・・・
ジャニー喜多川氏から性加害を受けた元ジャニーズjr.のカウアン・オカモトさんは、証拠となる“被害を受けたときの動画”を持っているという。おそらく行為中の動画だと思われるのだが、カウアンさんいわく「身を守るために撮った」という。言い方を変えれば身を守るために“盗撮した”とも言える。それを聞いたとき、良きにつけ悪しきにつけ気持ちの悪い時代になったなと思ったものだ。いままでも女性が性行為を撮られて脅されたり、リベンジポルノなどの問題が起きていた。それがある意味“どんどん身近”になってきた“ようだ。あなたは普通にデートをしているだけと思っているかも知れないが、相手は2人の会話や行為を「ちょっとした記念のため」だとかあるいは今後何かあったとき「身を守るために」盗撮・盗聴されているかも知れない。不倫中だったら証拠を握られることになるし、そうでなくても数年後、あるいは数十年後、何かの事情でその会話や行為を、何かの証拠として表に出されるかも知れない。2021年、タレントの熊田曜子さんの「夫のDV裁判」では、熊田さんが盗聴した夫がDVをしたと思われる音声テープが法廷で流れた。この場合、熊田さんはDVに備えて「次に怒鳴ったり叩いたりしてきたら盗聴してやる」と構えていたわけだ。「これは身を守る」行為として正しいことなのだろう。学校の担任や部活の顧問が、生徒に暴力を行っているときに、生徒が隠し撮りしSNSに流して大問題になるなんてことも、めずらしいことではなくなった。これもきっと正しいことなのだろう。以前、30代の既婚女性3人と食事をしていたとき、不倫の話になって1人が「SEX中に動画で撮影しようとするヤツがいる」と言ったとき、他の2人が「撮られちゃ絶対ダメよ!」「そうよ、撮るのはこっち側よ!」とフンガイしていたのを思い出す。つまり不倫の証拠を相手に掴ませるのではなく、むしろこっちが掴んでいた方が何かと有利というわけだ。でもその前に不倫はダメよ。(苦笑)我々はほぼ全員が、ポケットにスマートフォンというカンタンに高画質の動画が撮れたり、録音できたりする装置を持っている。漫画などではこの装置を使って、脅す・復讐するというシーンがウンザリするくらいに描写されており、それを真似する人もどんどん増えてくるだろう。この装置は善用もできるし悪用もできる。法律によると、相手に許可なく会話などを録音・撮影しても、迷惑防止条例に違反しない限り違法ではないらしい。そして、それらのデータは裁判などで有力な証拠となる。繰り返しになるが、録音や撮影は善用にも悪用にも使える。なんにせよ無断で録音や撮影をするような相手とは付き合いたくないものだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年06月12日 21時00分
50歳男、妻に食器を投げつけ怪我をさせて逮捕「夕食の量が多い」ことに立腹
静岡県藤枝市で、妻に暴行をして怪我をさせたとして、同市に住む50歳会社員の男が逮捕された。 警察によると、男は9日午後6時半頃、自宅で50歳の妻に対し、食器を投げつけ、右腕を切るなどの怪我を負わせた。様子を見た息子が警察に通報し、事態が発覚。駆けつけた警察官が男を傷害の疑いで現行犯逮捕した。 自分の妻に食器を投げるというあり得ない事件。警察の取り調べに対し、男は容疑を認めているとのこと。動機については「夕食の量が多いことが原因で口論になった」と話しているという。十分な食事の量を用意していたと見られる妻に、「多い」とキレて食器を投げつける。かなり異常であり、凶暴な事件と言えよう。 >>「魚がうまく焼けない」76歳男が激怒し、妻の頭を何度も殴る 自ら通報し逮捕<< この事件に、ネットユーザーからは「せっかく夕食を用意したのに、量が多いと言ってキレるのはあり得ない。あまりにも酷い話だ」「夕食を作るのにもかなりの苦労と時間がかかる。それを多いという理由でキレるなんて、ふざけるなと言いたい」「せっかく作ってもらったものを粗末に扱っているのが許せない」「大人になりきれない人物が家庭を持つとこうなる。言っちゃ悪いけれど、妻の方も人を見る目がなかった」と怒りの声が上がる。 また、「息子が即通報するということは、酷い暴力に発展する可能性もあったということ。日常的に暴力行為があった可能性が高い」「ご飯を作ってもらえるだけでありがたいだろ。ダイエットでもしたいのなら、離婚して1人暮らしをすればいい」「早く別れた方がいい。どうしようもない」などの声も出ていた。
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社会 2023年06月12日 12時30分
『めざまし8』古市・橋下氏「割に合わない犯罪」発言が物議 注意したアナに称賛
フジテレビ・西岡孝洋アナウンサーが、12日放送の『めざまし8』(フジテレビ系)に出演。社会学者・古市憲寿氏、元大阪府知事、元大阪市長の橋下徹氏に注意する一幕があり、称賛を集めている。 この日、番組で取り扱われたニュースが、昨日11日、神奈川県・川崎にある高級腕時計店に2人組の強盗が押し入った事件。彼らは店員に「出せよ」などと言って、バールでガラスケースを叩き割るなどしたが、現場から走って逃走。このうち1人は100メートルほど離れた路上で、時計店の店長などに取り押さえられ、強盗致傷の疑いで逮捕された。警察は逃げたもう1人の人物の行方を捜査している。 この報道について、古市氏は「強盗する人の意味が本当に分からなくて」と切り出すと、「日本の強盗の検挙率はすごく高くて、99%は捕まるんです」と解説。続けて、「しかも実刑になる可能性もあるわけじゃないですか?」とも訴え、「割に合わない犯罪と周知した方がいいと思います」「強盗をやろうかと思う方がいるかもしれませんが、本当に割が合わない犯罪ってことを知ってくれれば」と繰り返して強調。 >>橋下徹氏「プーチンの判断が間違ってるからとは思いません」発言で疑問の声 「完全に擁護」の指摘も<< これを受けて、橋下氏も「古市さんが言うように割に合わないことを、なんでこんな不条理なことをやってしまうのか」と疑問。さらに、「これはメディアで、きちんと割に合わない、検挙されるんだということをしっかり報じるべき」と主張した。 だが、ここで西岡アナが炎上を恐れたのか、すかさず横から入り、「犯罪ですので、割に合う、割に合わないという言い方は、また違うかもしれないなという気がするんですけどね。ちょっとそれだけ」と注意。MCの谷原章介も、彼の突然の指摘に驚いて振り向き、橋下氏は「ああ、そうか、そうか。なるほどなるほど」と反応していた。 ネットでは古市・橋下氏に対して、「犯罪だから断固としてダメとメディアは言ってほしい」「割が良ければやるのか」「ズレてるな認識が」といった声が。 一方、西岡アナには「いいこと言った」「アナウンサーグッジョブ」「注意される弁護士」「確かに」といった意見が寄せられている。
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社会 2023年06月12日 06時00分
電車の遅延で文句はありえない? 時間厳守のドイツ、交通事情はアバウトな理由
新幹線や電車など、公共交通機関の正確さが称賛されることの多い日本。しかし先日の大雨では東海道新幹線が運行を見合わせ、多くの人に影響が出た。状況が状況だけに理解を示す人が多かった一方で、車内や駅構内にとどまらなければならない人もおり、いつ運転が再開するか分からないというアナウンスには「野宿しろということか」と怒りをあらわにした人がいたというニュースもあった。 新幹線や電車が正確に来ることが普通な日本では、遅延や運休が人々に大きな影響を与えるようだ。しかしここまで新幹線や電車が正確な国は日本くらいであろう。 “時間に正確”というイメージを持たれている国の一つがドイツであると思うが、実際、ドイツ人はとても時間に正確だ。9時に待ち合わせをしたならば、9時5分前でも9時過ぎでもなくきちんと9時に来る人が多いのだ。家で待ち合わせをした場合も9時きっちりにチャイムが鳴る。 >>“日本人には優しい”は本当? ドイツ人がアジア人を一括りにせず特別視する理由とは<< ただし交通公共機関に関しては別だ。電車が遅れるのは日常茶飯事で5分どころか20分近く、もしくはそれ以上、予告なしに遅れることがある。そういったことが原因で遅延が起こり、ホームが変わることもしばしばで、ドイツを中心に運行されている高速列車ICE(日本でいう新幹線)が出発数分前にホームが変更になることはかなりの頻度で、遅延も多い。遅延するだけならまだしも「10分遅れる」というアナウンスが入ったのちに「あと10分遅れる」「あと20分遅れる」と次々と変更になり、とにかく来るまで待つしかない状況だ。 遅れる原因の多くは列車のダイヤがアバウトであることだ。前の電車がホームに遅れて到着し、次の電車が前の電車の出発を待つことになり、さらに次の電車も遅れていくという、電車の渋滞が起きる。それが重なり最終的には大きな遅延になっていくのだ。また技術的な問題も挙げられる。重大ではないものの念のため安全のために電車が一時的に止まることがあり遅延につながる。コロナ禍以降は特に人員が削減されており、修理や点検に時間がかかる。まれではあるが動物が線路に侵入したり、雪で徐行運転を余儀なくされることも原因にある。なお、ドイツの公共交通機関はほぼ全て「ドイツ鉄道」が運営しているが、民営化されたものの株式の100パーセントを政府が持つ、実質政府保有の会社である。 そんな状況であるのに人々が文句を言うのかといえばノーである。遅延はドイツ鉄道のHPやアプリケーションで告知されるほか、駅構内のアナウンスや電光掲示板を確認すれば分かるのだが、大幅な遅延でも駅員が大きな声でアナウンスしたり細かな情報を逐一伝えることはない。いくつかの方法で情報を共有しているのだから、全ては客側の自己責任。天候が関係している時は、天気予報を見なかった客側にも責任があるとされる。 ドイツでは台風などは滅多に来ないため、日本のように6時間近く車内に閉じ込められることはないものの、2、3時間車内に閉じ込められるのは珍しくない。一部で大雪などもあるが原因のほとんどは技術的な問題。その場合、電車が止まって「原因が不明でいつ動くか分からない」と車内アナウンスが入り、とにかく待つしかなくなるのだ。 そんな状況になっても客が文句を言うことはない。多少イライラすることはあるかもしれないが「あ、そうなんだ」とすんなり受け入れ、情報をとにかく待つという人が多いようだ。在独5年の日本人によると「最初は運転再開まで1時間くらいかかると言われて、その後さらに1時間、電中に閉じ込められたことがあったが、誰も文句を言わなかった」と語る。万一、車掌などに文句を言おうものなら「“自分たちだって分からない、電車を整備した人のせいだ”と、それ以上の剣幕で怒られるだろう」と話していた。別の在独7年の日本人は、何時間か待った末に電車が動かないから、途中で線路に降ろされ次の駅まで歩くように言われたことがあったそう。そんな時もほとんどの人が「ああ、そうか」といったように電車を降り、近くの最寄り駅まで歩いたという。なお、そういったことは頻繁に起こるため「そもそも大きなニュースにはならない」そうだ。 ただそんなドイツでもドイツ鉄道側は遅延をなくすための努力はしており、2022年までに長距離電車の82パーセント時間通りに到着させるという目標を掲げた。ただ実行できず、目標達成期間を2025年までに延期。ちなみに2022年の長距離電車の定刻到着率は約62パーセントとのことだが、ドイツ鉄道では6分未満の遅れは遅延と見なさないと定義しており、実際にはもっと多くの電車が遅延している。なお、日本の東海道新幹線では2021年の1列車当たり遅延時間は自然災害による遅延も含んで0.9分(54秒)だった。 目標期間を伸ばすなど、なかなか改善が見られないドイツの遅延問題だが、文句を言う人が少ないのは、人々が、当人の責任でないことは当人を責めず、仕方ないとあっさり受け入れられる面があることだ。前出の在独日本人は、ドイツ企業での出勤初日に大幅な遅延に遭い上司に何度も深く謝罪をしたら、むしろ謝罪している姿を不思議がられ「よくあることだから」で終わったという。 別の日にはドイツ人の同僚が、別のルートはいくらでもあるにもかかわらず、「駅まで行くバスが来ないから」と会社に来なかったそうだ。その時も大きな問題にはならなかった。ドイツでは公共交通機関の遅れは公共交通機関側の問題で、本人は悪くないという風潮があり、さらにほとんどの会社が出勤時間にこだわらない。9時出勤で多少遅れても仕事をきちんとこなしていればいいと見なされる。「日本では天候のせいとはいえ遅延があれば会社に迷惑がかかると考えがちだが、ドイツではそれがない。乗客にストレスがかかりにくく文句を言うまでに至らないのかも」と分析した。 日本での今回の大雨での遅延で不満を漏らした人に対しては批判の声もあったが、不満が出る背景には日本人の会社や周りの人に迷惑をかけてはならないという日本人独自の性質もあるのかもしれない。記事内の引用について「ファクトシート2022(Fact Sheets 2022)JR東海」https://company.jr-central.co.jp/ir/factsheets/_pdf/factsheets2022-02-01.pdf
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社会 2023年06月11日 21時01分
「おぐらが斬る!」ウクライナ・ダム決壊でクリミア半島の戦況が変わる
6日に発生したウクライナのダム決壊は、いまだロシア軍がやったのか、ウクライナ軍がやったのか、どこかの武装組織の仕業なのか、はたまた自然に決壊したものなのかはわかっていない。日本のマスコミは「ロシアがやった」ことにしたいようだが、もう少し様子を観たほうがいいだろう。さて、このダムはドニプロ川の水を溜めるためのもので、このカホフカ貯水池は琵琶湖の3倍ほどあり、日本の生活用水1年分の量をまかなえるほど大きなものだ。ウクライナ政府によると、ダム決壊の影響で、日本の耕地面積の10分の1に当たる土地が利用できなくなり、灌漑システムへの被害総額は1兆4000億円、ヘルソン州南部の農業が回復するまでには10年以上かかるのではと言われている。誰がやったにせよ、ウクライナ軍はドミプロ川の西側に兵力を集めており、決壊で被害を受けたのはロシアが実効支配している川の東側だが、洪水で水浸しになったため、大規模反転攻勢も大きく遅れざるを得ないのが実情。つまりどちら側にとっても、いまのところ得はないようだ。そしてもう一つ心配されているのが、クリミア半島の水問題だ。クリミア半島の水は、決壊したダムから供給している。その量はクリミア半島で使われる水の85~90%にも及ぶ。この決壊で半島が砂漠化し、農業は壊滅するかもしれない。当然生活用水も相当制限せざるを得ない。さてこのクリミア半島、2014年にロシア軍が侵攻してきて以来、ロシアが実効支配しているわけだが、侵攻以前から6割以上が親ロシア派というよりロシア人なのだ。ロシア軍がクリミア半島を侵攻したとき、大した抵抗もしなかったのはそういう事情もあったのだ。よってクリミア半島の住人はいまでも、そのほとんどがロシア人として普通に生活している。ゼレンスキー大統領は盛んに「クリミアはウクライナの土地である」と、クリミア奪還を主張しているが、もし奪還に成功しても、ウクライナ政府がこの半島を治めるのはとても難しいだろう。もし仮にこの半島をウクライナが取り戻したとしても、すぐに親ロシア派の政党や武装勢力ができて、紛争地帯になるかも知れない。そんな土地だからNATO諸国の中には「戦争が長引くし統治も難しいので、クリミアにはこだわるな」と思っている国も多い。プーチンにしてもクリミア半島は、黒海の制海権のための最重要地。これまで以上の犠牲を払ってでも手放せない地域となっている。とはいえウクライナ軍にしても、クリミア半島には軍事施設が200以上あり、このクリミア半島からウクライナに攻め込んでいるという背景もあるから、是が非でもこの半島を叩きたいところ。今回のダム決壊はクリミアのロシア軍にとって大きなダメージとなるはずだ。誰がやったかは不明だが、ダム決壊はクリミア半島の戦況にも変化がありそうだ。プロフィール巨椋修(おぐらおさむ)作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。
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社会 2023年06月11日 06時00分
ハネムーン最終日にバーでケンカした新婚夫、従業員に首を絞められ死亡
結婚後、夫婦となって行く初めての旅行は、特別なものだろう。海外では、そうした特別な旅行が、人生最悪の旅となってしまった人がいる。 メキシコ・ユカタン半島のリゾートホテルで、ケンカをした男性客を制止した際に、ホテルの従業員らが首を押さえつけて、男性を死なせてしまった事件で、従業員の男2人が殺人の疑いで起訴された。海外ニュースサイト『The Free Press』『CBC』などが5月23日までに報じた。 報道によると1月3日、カナダ・ウィニペグ在住の36歳男性と女性(年齢非公表)が10日間の予定で新婚旅行に出かけたという。行先はメキシコのリゾート地だ。夫妻は8年ほど前に結婚したものの、新婚旅行に行けていなかった。夫妻の間には、3人の子どもがいる。子どもらは、カナダの親戚の家でお留守番をした。 >>48歳男、一夫多妻を拒否され31歳シングルマザーを殺害 息子とともに銃で打たれる<< 夫妻はハネムーンを満喫し、旅行最終日の夜、2人でホテルのバーへ繰り出した。妻は翌日のフライトに備え、先にホテルの部屋に戻って就寝。夫は、バーに残ってお酒を飲んでいたという。 妻によると1月13日午前3時ごろ、ホテルの従業員が部屋にやってきたそうだ。寝ていた妻は起きて、従業員とともにホテルのロビーへ。妻は、そこで夫が亡くなった事実を知らされたという。 警察の説明によると、ホテルのバーで飲んでいた夫は、同じくバーにいた他の男性宿泊客とケンカを始めたという。ケンカの理由は不明だ。酔っていた夫は、バーから追い出された。しばらくして落ち着きを取り戻した夫は、再びバーへ。しかし夫は再びケンカを始めたという。ホテルの従業員が駆けつけて、2人がかりで夫を制止。従業員の1人は、夫の体を押さえつけ、もう1人が、腕で夫の首元を絞めたという。しばらくして、夫は意識を失い倒れたそうだ。 救急隊が呼ばれるも、夫の死亡が確認された。のちの司法解剖で夫の死因は窒息死と判明。警察は、ホテル従業員の34歳男Aと36歳男Bの身柄を拘束したが、その後まったく動きはなかった。無罪の可能性もあったという。事件発生から4か月後、証拠がそろったようで、警察は殺人の疑いでAおよびBを起訴した。AおよびBの初公判は、6月12日の予定という。A、Bの起訴を受けて妻は「やっと正義が実現されてうれしいです」などと各社の取材に語っている。 このニュースが世界に広がると、ネット上では「首絞めは流石にやり過ぎ」「過激なおもてなし。ホテルの質が悪そう」「メキシコは治安悪い。麻薬カルテルも多いし。暴れる客に首絞めは常識」「ハネムーンの行先は慎重に選んだほうが」「酔って暴れた男性にも責任あり」「酒は飲んでも、飲まれるなの良い例」「旅行最終日に深酒してしまう気持ちは分かる」といった声が上がった。 お酒はほどほどにしておいた方がよいだろう。旅先ならなおさらだ。飲みすぎて悪目立ちした結果、ハネムーンが妻との別れの旅路となってしまった。記事内の引用について‘I’m just glad that justice is finally happening’: homicide charges against Mexico hotel employees in death of Winnipeg man(The Free Press)よりhttps://www.winnipegfreepress.com/breakingnews/2023/05/23/im-just-glad-that-justice-is-finally-happening-homicide-charges-against-mexico-hotel-employees-in-death-of-winnipeg-manWinnipeg woman seeks answers after husband killed during belated honeymoon at Mexican resort(CBC)よりhttps://www.cbc.ca/news/canada/manitoba/mexico-resort-death-canadian-killed-1.6717095
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24歳女、女性警察官の肩に噛みつき出血させ逮捕「酔って覚えていない」と供述
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玉川徹氏「初めからコロナって大した病気ではない」発言物議「あんなに煽っておいて!」の指摘も
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救急救命士、94歳女性の死後に家から金銭を盗む すぐに戻すも執行猶予付きの禁固刑に
2023年04月18日 06時00分
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43歳男、高知県庁に嫌がらせ電話で逮捕 助成金の対象外にされて恨みか
2023年04月17日 23時00分
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『ひるおび』、岸田首相襲撃に「リュック背負っている人が…」八代弁護士の問題指摘に疑問の声
2023年04月17日 17時00分
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「暗殺が成功して良かった」作家・島田雅彦氏が暴言? 山口4区補選は「坊主丸儲け」持論が物議
2023年04月17日 14時05分
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16歳〜34歳の女性が性的暴行被害 犯人は13歳少年、放課後に犯行に及ぶ
2023年04月17日 06時00分
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不法滞在でジャマイカに強制送還の男、英国人女性にHIVをうつしイギリスに戻される 禁固刑3年有罪判決
2023年04月16日 06時00分
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爆弾魔は「刑事ドラマ」好きの中学生? 劇場型犯罪の行方【衝撃の未成年犯罪事件簿】
2023年04月15日 19時00分
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黒岩知事の不倫報道で思い出される、女性関係が決定打で落選した鳥越俊太郎氏
2023年04月15日 17時00分