CLOSE
トップ > 社会 > 米山隆一氏、「過ちは繰り返しません」発言めぐり百田尚樹氏に反論 広島市「人類全体を指す」

米山隆一氏、「過ちは繰り返しません」発言めぐり百田尚樹氏に反論 広島市「人類全体を指す」

pic pic

平和記念式典(広島市の公式ホームページより)

立憲民主党の米山隆一氏は、7日、X(旧Twitter)を更新。広島で行われた平和記念式典をめぐって、日本保守党代表の百田尚樹氏への反論を投稿した。

式典に参列していた百田氏は、あいさつを述べた何人かが発した「過ちを繰り返しません」という言葉に対して、「広島市民も日本国民も原爆に関して何も過ちを犯していないし、その責任もない。過ちは米国が犯したものである」とポスト。

米山氏は、百田氏の投稿を引用しながら「ごく普通に解釈して、戦争を開始した日本にも過ちがあり、原爆を投下した米国にも過ちがあるという極めて真っ当な言葉でしょう。戦争を開始した日本に過ちがないかのように言い募る事こそ、却って米国の過ちの認識をも失わせてしまう、過ったものです」(原文ママ)と批判している。

「過ちを繰り返しません」は、1952年に建てられた原爆死没者慰霊碑の「安らかに眠って下さい 過ちは 繰返しませぬから」という碑文からくる言葉だ。この言葉をめぐっては、主語が誰かについてたびたび議論が行われてきた。東京裁判に関わったインドのパール判事も「原爆を落としたのは日本人ではないのに、碑文は表現が不明瞭だ」と指摘している。

碑文の言葉を作った広島大学の雑賀忠義教授は、主語を「私たち全世界の人々」と捉えていた。雑賀教授の考えは、広島市の公式見解になった。広島市は、碑文の「過ち」について、「一個人や一国の行為を指すものではなく、人類全体が犯した戦争や核兵器使用を指しています」としている。

ネット上では、「どちらにも責任があるから『過ちは繰返しませぬから』なのだと思います」「何度か広島を訪れるうちに、人類に対する自戒の言葉だと思うようになった」と賛同する人もいる一方、「曖昧な表現を持ち込むことはむしろ加害の責任をぼかし犠牲者の死を政治的に利用している」「捉え方は人それぞれだと思いますが、わざわざ突っ込みどころを探しているように感じます」という意見も上がった。

さまざまな解釈があれど、米山氏と百田氏の投稿は、碑文に込められた思いや「私たち」という言葉について、再び考えるきっかけになったと言えるだろう。

関連記事

タグから探す


社会→

 

特集

関連ニュース

ピックアップ

新着ニュース→

もっと見る→

社会→

もっと見る→

注目タグいま話題のキーワードはこちら!