宇多田は、「記事が出てYahooなんかでも紹介されてるみたいで、見出しや内容読んだ人は私が『クマが可哀想で泣いてる』『ひどい!ハンターに天罰が下ればいい』なんておっかないこと言ってると思って批判的な意見がチラホラ届いてるんだけど…私も『え??十年以上前とはいえ、んなこと言うわけないよね』→念のため記事読む→『あれ?こんなにはっきり書いてある、まさか言ったのか?!』→スタッフに確認→SNS上のランダムな人たちの過激な発言を、そうとは明記せずに私の写真の下に掲載、そのまま私の話やほんとの引用が始まる、という構成だと判明」とそのカラクリを説明。その上で「そんな手があるんかい本人の私でも騙されそうになったわ」(原文ママ)と、まるで自身が発言したかのような同サイトの記事構成にくぎを刺した。
記事では、冒頭に一般ユーザーから寄せられたクマ駆除に対する過激なコメントを紹介。後半部分に「クマを森に返すための予算を管理してる機関があるなら寄付したいな」という宇多田が2010年に自身のSNSに投稿した文言を掲載している。
「宇多田は2006年11月に、友人から誕生日にもらったテディベアを基に『ぼくはくま』(東芝EMI、現:ユニバーサルミュージックジャパン)というタイトルのシングルをリリースしています。楽曲は、“クマ好き”で知られる宇多田が『クマはかわいい』という思いを込めた童謡で、NHK『みんなのうた』でも紹介されたり、絵本の題材にもなりました。このイメージが20年近くたった今でもインパクトを与え、『クマ=宇多田ヒカル』と関連付けられたのでしょう。クマ駆除の擁護派は『クマといえば宇多田ヒカル。この問題を彼女はどう思っているのだろうか』『人に危害を与えるクマの現実に“愛おしい”などとは言ってられない』『宇多田に罪は無いけど「ぼくはくま」が批判されてもやむを得ない』といったコメントがちらほら見受けられ、宇多田がとばっちりを受けている状態です」(芸能ライター)
『ぼくはくま』が発売された2006年といえば、クマによる人的被害がそれまでの過去最多の年間145人に上り以降、環境省が月別の統計を取り始めた節目の年でもある。また、多くの死傷者を出した2010年には、人里に下りてきたクマを補殺すべきか放獣すべきか、ネットやメディアを含めての議論が巻き起こった。ちなみに2025年10月時点においては、すでに180人への被害が報告されている。
国内では連日クマ被害が相次ぎ、深刻化している。これも地球温暖化による異常気象の影響とされているが、人間よりもはるかに狂暴なだけに非常に厄介である。一部では、「警察官がなぜクマを銃で撃てないのか」といった疑問の声が上がっているが、法的理由があるためににっちもさっちもいかないわけだ。
そんなこんなで、15年前につぶやいた「寄付したい」発言が意図的に蒸し返されとんだ目に遭った宇多田だが、今後も創作意欲を絶やさず音楽史に残る名曲を世に送り出してほしいところだ。

