高知は2016年6月、覚せい剤取締法と大麻取締法違反(所持)の疑いで、知人のクラブホステスの女と共に横浜市内のラブホテルで関東信越厚生局麻薬取締部に現行犯逮捕された。麻薬取締部が室内に踏み込んだときに、2人は全裸で寝ていたといい「自分たちで使うために持っていた」と供述。同日、高知が東京・九段の同局が入るビルから警視庁湾岸暑へと移送された際、100人ほどの報道陣からフラッシュの放列を浴びるのだが、黒縁メガネをかけた顔を伏せることなく、じっと前を見据えていた姿は印象的だった。
「当時の妻・女優の高島礼子は、主演ドラマ撮影のため京都市内に滞在中でした。夫の逮捕劇に所属事務所を通じてコメントを発表し、謝罪するとともに『驚いて困惑している』とショックを隠し切れない様子でした。逮捕から6日後、高島は京都市内で記者会見を開き、涙ながらに夫の不始末に頭を下げていました。そしてこの会見の後、湾岸警察署の留置場にいた高知から高島宛に離婚届が送られてきたそうです。当時、高島は高知との決別をちゅうちょしたといいますが、2016年8月に夫妻は離婚に至りました」(テレビ関係者)
懲役2年、執行猶予4年の判決を受けた高知は2020年4月、週刊誌「女性セブン」(小学館)のインタビューに応じ、これまでひた隠しにしてきた「壮絶なルーツ」を語り尽くしたのだ。新たな人生を歩むにあたり、自ら犯した過ちと向き合いつつも「言い訳にするつもりはない」と前置きした上で、「生い立ちが、薬物に溺れた要因の1つ」と回顧。そして、壮絶な半生をカミングアウトし、大きな話題となった。
「薬物逮捕によって、高島との離婚や芸能界からの追放、友人知人も離れていった高知は何度も死のうと自暴自棄となったといいます。そんななか、ひそかにXを発信するようになり、どん底まで堕ちながらもひたむきに生き直そうともがく高知の姿にフォロワーが増加し、世間も更生を応援し始めたのです。母親の自死に触れたツイートには、16.2万もの“いいね”がつき、腹をくくってすべてをさらけ出す高知にたくさんの人が魅了されたといいます。そして、執行猶予が明けた2020年9月に自身と向き合いながら小説を書き始めることとなり、2023年1月に自伝的小説『土竜』(光文社)を上梓したのです」(芸能ライター)
小説では侠客の父と、その愛人でネグレクトの果てに自死した母との葛藤の末にけんかと女に明け暮れ、所持金6万円で上京したという経緯が記されている。そして薬物に溺れて逮捕される自身の半生などをつづり、作家としての成功を収めた。
高知は前出のインタビュー時に「逮捕された瞬間は、どこかホッとした気持ちがあった。“ああ、これでクスリをやめられる”って。麻薬取締官に、“逮捕してくれて、ありがとうございました”と伝えたことが報じられましたが、これは事実」と語っている。衝撃の逮捕から9年が経過し、著名人の薬物逮捕のたびに更生を呼び掛けている高知の貢献活動を今後も見守っていきたい。