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石破首相の戦後80年メッセージは「国内的な戦争責任」か 新たな議論引き起こす「なぜ軍部は暴走したのか」

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石破茂首相(首相官邸の公式ホームページより)

8月15日は終戦記念日で、戦後80年の節目を迎える。SNSでは今も石破茂首相に「戦後80年談話を」という書き込みが見られるが、「談話」を出すには閣議決定が必要であり時間的に難しくなった。そこで浮上したのが、閣議決定の必要がない「メッセージ」発出である。メッセージは出せるのか、出せないのか。出すとすればどんな内容なのか。13日放送のテレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」が特集し、解説した。

石破首相が80年談話をあきらめたのは時間的制約だけではない。党内保守派の反対が大きく、配慮したためだ。例えば、小林鷹之氏は「70年談話を安倍総理が出されて、あれがすべてだと思っている」と話す。

安倍晋三元首相が出した戦後70年談話には「私たちの子や孫、その先の世代の子どもたちに謝罪を続ける宿命を背負わせてはならない」と盛り込まれている。それを石破首相が“上書き”することになれば、戦後の謝罪外交に逆戻りするのではないかと保守派は懸念しているのである。

しかし、石破首相は「50年談話、60年談話、70年談話を踏まえたうえで考えたい」としており、歴史認識は引き継ぐ考えだ。70年談話の有識者懇談会メンバーだった宮家邦彦氏は「石破さんがこだわっているのは、あれだけの戦争を引き起こした国内的な政治責任ではないか」と分析する。それを受け、元AERA編集長の浜田敬子氏は「広島と長崎での石破首相のスピーチは高く評価された。戦争に対してどう思っているのかをセットで語らないとおかしい。何らかのメッセージは出すべき」とコメントした。

起業家でコメンテーターの安部敏樹氏は「(保守派は)議員総会で石破さんの退陣と一緒にこのテーマを持ち出しているので、政局にしている。戦争責任は本来そういうものではなく、淡々と検証されるべきもの」と語った。

レギュラーコメンテーターの玉川徹氏は次のようにコメントした。

「これまで戦後50年、60年、70年の節目には当時の首相が談話を発表してきた。しかも、50年談話は社会党の村山富市首相だった。この時だけが特殊だったということじゃないわけですよね。80年談話を出す場合には理由はいらないし、出さないならば理由が必要。ずっと続けてきていることなので」

石破首相のメッセージ発出に反対している保守派と呼ばれる議員は、おそらく15日には靖国神社に参拝するだろう。玉川氏は「それは戦争の記憶を風化させないためではないのか」と指摘したうえで、「風化させないことは日本人の総意。風化させないという意味で言えば何らかの談話を出すべきだ」と提言した。

日本の戦争責任は、国際的には、A級戦犯は東京裁判で裁かれ、BC級戦犯はその地域を占領した連合国各国の管轄下それぞれ独自の裁判規定で実施された。

しかし、宮家氏と安部氏が指摘する国内的な戦争責任は、曖昧にされてきたのが戦後の80年だった。毎日新聞の佐藤千矢子氏は「なぜ軍部は暴走したのか」に重点を置いたメッセージになるのではないかと話した。

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