スポーツ
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スポーツ 2019年08月17日 11時30分
松坂世代の晩節「平成の怪物」が引退を表明するときは…
かつて、球界を席巻した1980年生まれの「松坂世代」だが、2019年シーズン、NPBの現役選手は8人。代表的な選手の近況を伝えると、ソフトバンク・和田毅は復活勝利こそ果たしたが、右太股を痛めて登録を抹消(7月21日)。阪神・藤川球児は後半戦から従来のクローザー役に復帰。打者の手元で浮き上がってくる独特のストレートが蘇りつつあるが、全盛期の球速はない。肝心の松坂大輔は復活勝利後の先発で、1/3回8失点と信じられないような醜態をさらしてしまった(7月27日)。 彼らにとって39歳の年。この年齢まで現役を続けてきたことには敬意を表すべきだが、こんな声も聞かれた。 「練習熱心でもあります。彼らは何も指示されなくても自分で考えて、しっかりと練習しています。例外は松坂かな(笑)」(プロ野球解説者) 松坂は「完全燃焼していない」とし、現役にこだわってきた。松坂を見たいと思うファンはいまだ多く、その根強い人気が現役を続けたいとする“ワガママ”を許しているのだろう。なぜ、ワガママなる言葉を使ったというと、松坂は「チームのために」とは言わないからだ。チャンスをくれた中日のため、ファンのためと思っているはずだが、それを口にすることはほとんどない。 あえて言わないのだとしたら、そこに松坂の野球哲学があるのではないだろうか。 話は、2006年の第1回WBCにさかのぼる。松坂は日本のエースとして代表チームに召集された。日本は初代王者となり、松坂は大会MVPにも選ばれた。しかし、当時を知るNPB関係者によると、松坂は他球団の年長選手から叱責される場面があったという。 「深いところで、野球、ナメてるだろ?」 性格もあるのだろうが、松坂は練習中もニコニコしている。常に周りに人が集まっていて、高校、西武ライオンズ(当時)時代には「サボリぐせ」を指摘されたほどだ。キツイ練習で追い詰められると、笑ってごまかし、最後までやらない。決して練習嫌いではないが、そういう態度に疑問を呈したのだ。 「松坂にとって、野球はコミュニケーションの手段だったのかもしれません。仲間思いで、彼らと一緒に行くのが楽しくてたまらないというか、そういう遊びの延長で野球を続け、結果的にプロの世界まで上り詰めていったんです」(NPB関係者) だが、その大好きな野球で、松坂は「地獄」も味わった。メジャー挑戦後に負った右肘の故障であり、投げられない苦しみと、復活後も思うようなピッチングができないイライラも経験した。「このままで終わるわけにはいかない」という思いが中日での復活勝利につながったのだが、松坂以外のピッチャーだったら、ここまでは待ってくれなかっただろう。とっくの昔にクビを宣告されていたはずだ。 「松坂に限らず、ベテラン選手は周囲に気を遣わせるなど、特別扱いされていることを自覚していると思います。だから、チームに何かを残さなければいけないと思い、若手に技術的な助言を送るなどしているのでしょう」(前出・同) 松坂の「まだ続けたい」の言葉には、これまで応援してくれたファン、自身の野球人生を支えてくれた人全てに対し、「このまま現役をやめたら、申し訳ない」との意味も含まれているのではないだろうか。野球に限らず、プロアスリートにとって、最高の幸せは自身で引退を決められること。大多数がクビを宣告され、未練を残したままやめていく。「幸せな野球人生を送ることができた」。お世話になった人たちにそんな報告することが一番の恩返しだと考えているのだろう。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年08月17日 06時30分
“世界の獣神”獣神サンダー・ライガーの引退試合の相手は誰だ?有力選手はあの二人?
「獣神サンダー・ライガーは来年1月の東京ドーム大会で引退いたします」 今年3月7日、プロレス界に激震が走った。“世界の獣神”として、日本のみならず世界のリングで“ジュニアヘビー級のレジェンドマスクマン”として活躍した新日本プロレスの獣神サンダー・ライガーが引退を表明したのだ。この前日に、当時IWGPジュニアヘビー級王者だった石森太二に挑戦し、大激闘の上敗れた。ライガーは「近いうちに会社から発表がある」と意味深発言。翌日、引退発表会見が行われたのだ。 “ライガー引退!” このニュースはまたたく間に世界中を駆け巡った。会見でライガーは「他団体の選手にも名乗り上げてほしい」と引退ロードの対戦相手を募った。これを受け、新日本と交流がない他団体の選手からも「ライガーさんと闘いたい」という声がSNSを通じて寄せられている。当然、新日本のスケジュールは最優先。海外での試合もあり、他団体の選手がライガーと試合できるのは、その狭間に限られてしまう。引退までに対戦できる選手はラッキーと言えるだろう。 「(思い出の選手は)佐野直喜(巧真)さん!あの人がいなければ今の僕はいなかった」 会見で「やり残したことはない!」と言い切ったライガーだが、佐野はライガーが誕生してから初めてのライバルとあって、思い入れの強い選手のようだ。現在はフリーの佐野は、8.30後楽園ホール大会で開催される武藤敬司プロデュースの「プロレスリング・マスターズ」にカードこそ違うが出場が決定している。佐野は新日本OBでもあり、来年1月の引退試合の相手としてふさわしい選手と言ってもいい。 しかし「俺とやれ!」と挑発を続けている選手がいる。鈴木みのるだ。みのるは、2002年11月30日にパンクラス横浜文化体育館大会で、佐々木健介氏の代替として急きょ参戦したライガーとパンクラスルールで対戦したことがキッカケで、“プロレス復帰”を決意したと言われている。 当時は準備期間がなかったこともあり、ライガーが「2年ぐらい時間をよこせ!もう一度やらせてくれ」とみのるに直訴していたが、17年間シングルマッチは組まれていない。みのるも引退試合の相手の有力候補だ。 果たしてライガーの引退試合で、対角線に立つのは佐野か?みのるか?はたまた違う選手になるのか?シングルマッチでない可能性も考えられるが、石森戦を見ても第一線の選手と渡り合う力は十分に残っている。ライガー生誕の地である“闘強導夢”での引退試合まで半年を切ってしまったのはさみしい限りだ。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年08月16日 22時30分
3年ぶり開催のプロレスジュニアオールスター戦『スーパーJカップ』今回はアメリカで開催!
プロレスジュニアヘビー級のオールスター戦『スーパーJカップ』(Jカップ)は、1994年に新日本プロレスが主催し実現したものだ。2nd STAGE以降は、ホスト(主催)団体が持ち回りとなり、2nd(1995年)はWAR、3rd(2000年)はみちのくプロレス、4th(2004年)は大阪プロレス、5th(2009年)が新日本、6th(2016年)は新日本とプロレスリング・ノアが共催し、これまで不定期に開催してきた。 7回目となる今回は新日本がホストを務め、現地時間22日から米シアトル、サンフランシスコ、ロサンゼルスを転戦する。プロデューサーはJカップの発起人、獣神サンダー・ライガーだ。ライガーはトーナメントにはエントリーしない模様だが、3大会全てに出場することが発表されている。ライガーは「アメリカ西海岸を一色に、ジュニア一色に染めたい」と意気込みを語った。 7th STAGE『スーパーJカップ2019』トーナメントには1日現在6人の選手がエントリーしている。新日本プロレスから田口隆祐、SHO、石森太二、メキシコCMLLからカリスティコ、ドラゴン・リー、そしてTNAやWWEでも活躍したクルーザー級の強豪、TJPである。 田口は3大会連続出場、石森はノア時代に続いて2大会連続の出場。“元祖・神の子”カリスティコは前回大会にスペシャルマッチで出場しているが、トーナメント参加は初めて。初代ミスティコ時代に伝説的ルチャドールとして数々の伝説を築き、メキシコでは国民的なスーパースターとされる。WWEでは初代シン・カラとしても活動していたことからアメリカでの知名度も高い。今年1月には新日本とCMLLの合同興行『ファンタスティカマニア2019』にも来日。久々に日本のファンの前で元気な姿を見せていた。 注目のTJPは、プリンス・デヴィット(フィン・ベイラー)、カール・アンダーソンらを輩出した新日本プロレス・ロス道場に在籍していた。2002年には新日本に初参戦。2011年には『ベスト・オブ・ザ・スーパーJr.』にも出場。3勝5敗という結果に終わったが、必殺のデトネーション・キックで強烈なインパクトを残した。「日本帰りは出世する」ことを実践した一人だ。この大会でライガーの目に留まれば再び来日する可能性も高まるだけに、このチャンスはしっかりとつかみたいところだろう。 世界屈指のジュニア戦士が集結するJカップの過去の優勝者は、ワイルド・ペガサス(クリス・ベノワ)、獣神サンダー・ライガー(2連覇)、丸藤正道(同)、KUSHIDAといったそうそうたるメンバー。この歴史に新たな名を刻むのは誰か?令和初、国外初のJカップに世界中の注目が集まる。『スーパーJカップ2019』出場選手・田口隆祐・石森太二・カリスティコ・TJP・SHO・ドラゴン・リー『スーパーJカップ2019』日程◎シアトル大会▽現地時間22日、会場:Temple Theater◎サンフランシスコ大会▽現地時間24日、会場:SF University Student Life Events Center◎ロサンゼルス大会▽現地時間25日、会場:Walter Pyramid取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年08月16日 19時35分
3位広島、諦めるのはまだ早い?鍵を握るのは打線ではなく...
2位DeNAと共に首位巨人を猛追し、一時はその差を1ゲームまで縮めていた3位広島。しかし、12日〜14日にかけ行われた3連戦に負け越したこともあり、その差は4.5ゲームと再び広がりを見せ始めた。 14日終了時点における巨人の成績は「59勝46敗2分・勝率.562」だが、仮にこのままのペースでいくと優勝ラインはおおむね80勝。広島、そしてDeNAがこれを上回るためには、ここからの残り試合で勝率7割以上をたたき出す必要がある。 「せっかくここまで追い上げたのに…」、「セ・リーグの灯もとうとう消えてしまうのか」、「結局最後は巨人、なんかガッカリだわ」といった、ネガティブなコメントも少なからず寄せられているこの展開。ただ、伊藤光、パットン、宮崎敏郎と主力が相次いで故障に見舞われたDeNAはともかく、広島に関してはまだまだ諦める必要はないようにも思われる。 今シーズンの広島は8連勝(4月17日〜27日)、11連勝(5月11日〜27日)、9連勝(7月19日〜28日)と大型連勝を3回マーク。それぞれの期間におけるチーム成績は以下の通りとなっている。8連勝(4月17日〜27日)全試合合計:35得点・13失点・67安打1試合平均:4.4得点・1.6失点・8.4安打11連勝(5月11日〜25日)全試合合計:70得点・26失点・122安打1試合平均:6.4得点・2.4失点・11.1安打9連勝(7月19日〜28日)全試合合計:59得点・28失点・98安打1試合平均:6.6得点・3.1失点・10.9安打 打線の活発さはもちろんだが、それ以上に目立つのが失点数の少なさ。投手陣がこのような頑張りを見せることができれば4回目、ともすれば5回目の大型連勝が到来する可能性も十分だといえるだろう。 では、現在のチーム状況は連勝時と比べてどうなっているのか。直近10試合の内訳を元に比較してみたい。直近10試合(8月4日〜14日)全試合合計:53得点・47失点・93安打1試合平均:5.3得点・4.7失点・9.3安打 「5勝5敗」とイーブンだったこの10試合を見ると、鈴木誠也、會澤翼、松山竜平といった面々が好調なこともあり。打線は連勝期間中にも引けを取らない得点・安打を記録している。 一方、投手陣の方は、連勝期間中と比べると少々打ち込まれ気味。今後の戦いにおいては、投手陣が1つでも失点を減らすことができるかが最大の課題であるといえそうだ。 一軍の投手陣は、この1週間で床田寛樹(11日)、フランスア(12日)、一岡竜司(13日)、アドゥワ誠(13日)、岡田明丈(16日)の5名が立て続けに二軍へ降格。失点数の減少、そして逆転優勝を成し遂げるには、苦しい台所事情となっている投手陣をどこまで“再整備”できるかが大きな鍵となることは間違いないだろう。文 / 柴田雅人
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スポーツ 2019年08月16日 17時30分
DeNA、ハマスタの夏祭り!「勝祭 2019」が開催!今年は派手に打ち勝とう!
ベイスターズは、すっかりお馴染みとなった「勝祭 2019」を8月16日〜18日の日程で開催する。2013年から行われている恒例企画で、「試合に勝利し、ファンから拍手“喝采”を」との願いを込めて、「勝祭(KASSAI)」の当て字を使用。豪華ゲストも登場することもあり、真夏の8月にお祭り気分満載の人気イベントとして、ファンに愛されている。 ここでは、肝心の試合結果はどうだったのかを振り返ってみたい。 初年度の2013年は、ジャイアンツとの3連戦。初戦は当時ルーキーだった三嶋一輝が6回2失点の好投を披露し、打線も中村紀洋、多村仁志、梶谷隆幸のホームランなどで11ー2で快勝。イベント初戦で最高の結果となった。しかし、残る2戦は2ー8、2ー16と大敗し、カード負け越しとなってしまった。 2014年は、前年に続きジャイアンツ相手に、初戦こそ完封敗けを喫したが、2戦目には延長10回、桑原将志のサヨナラヒットでものにすると、3戦目は1点ビハインドの7回に、前日のヒーロー桑原が頭部にデッドボールを受け退場。その後、後藤武敏のツーベースで追い付き、松本啓二朗のタイムリーで試合をひっくり返し5ー3で快勝。カード勝ち越しを決めた。 2015年は、タイガースとの対戦で、初戦はこの年の6月に支配下登録された砂田毅樹が先発で好投し、7ー4で勝利した。2戦目は先発・高崎健太郎の乱調が響き2ー5で落とすと、3戦目は打線が奮わず2ー3の惜敗を喫し、カード負け越しとなってしまった。 2016年はカープとの3連戦。初戦は抑えの山崎康晃が打たれ逆転負けするも、次戦は延長10回に筒香嘉智のサヨナラ打で勝ちを収めたが、3戦目は今永昇太が8回3失点と踏ん張るも、打線が2点しか奪えず惜敗。ロースコアの3連戦となったが、カードは負け越した。 2017年は再びタイガースと対戦し、初戦は先発・石田健大が試合を作れず、2戦目は1ー1の投手戦で、延長10回砂田が決勝点を奪われ連敗。3戦目は筒香の2本のホームランと、濱口遥大の好投で8ー2の快勝。なんとか3タテを逃れた。 昨年は三度目のタイガースとの対戦となり、初戦は苦手メッセンジャーに手玉に取られ、次戦もルーキー小野を打ち崩せず完敗。最終日は打線が奮起し、ネフタリ・ソトの2本と筒香にもホームランが飛び出し、12点を取り快勝したが、またもやカード負け越しとなった。 通算成績は7勝11敗と大きく負け越している「勝祭」。今年の対戦相手はカープとなっている。夏場はピッチャーがバテてくる傾向にあり、打撃戦になるゲームが増える。ここは打撃陣の活躍で派手に勝ってもらいたい。昨年は夏場に強いネフタリ・ソトが14打数7安打、打率.500、2ホーマー。大和が13打数7安打、打率.538と好調だっただけに今年も期待したいところ。石川雄洋が6打数3安打といぶし銀の輝きを見せていたこともあり、若いチームの中にあって、キラリと光るベテランの働きにも注視していきたい。 辛口のファンからは“負祭”などと揶揄されているのが現状だが、今年こそ、お祭り騒ぎの中で、心からの喝采をベイスターズに送らせてもらいたいものだ。取材・文 ・写真/ 萩原孝弘
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スポーツ 2019年08月16日 11時30分
オリックス、2年連続“西京極”で阪急復刻! 今年は2日連続開催
オリックスの人気復刻企画『関西クラシック』。今年、阪急ブレーブスの復刻は、5月28日から京セラドーム大阪で行われた福岡ソフトバンクとの3連戦(ソフトバンクは南海ホークスを復刻した)で蘇ったが、その番外編として、27日、28日にわかさスタジアム京都で開催される福岡ソフトバンクとの2連戦で、再び“勇者”が見られることが決定した。 阪急電鉄京都線の西京極駅に隣接する京都市西京極総合運動公園野球場(わかさスタジアム京都)は、かつて近鉄バファローズとともに、阪急ブレーブスも1958年から1982年、1988年に準本拠地として使用していた球場。昨年も5月に同球場で公式戦を開催した際に、復刻試合を行っているので、2年連続で阪急ブレーブスが京都に凱旋することになる。 当日は、『関西クラシック』と同じくオリックスの監督、コーチ、選手が阪急ブレーブスの復刻ユニフォーム(1970年〜1971年着用ホームユニフォーム)を着用して試合を行うが、ソフトバンクは南海ホークスを復刻しない。5月の復刻試合では1勝2敗で負け越し。さらに、今年はソフトバンク相手に、7月28日現在、5勝12敗1分けと借金を「7」も作るほどのカモにされているだけに、西京極球場の名で昭和の時代に愛された、わかさスタジアム京都の2連戦では、少しでも勝敗の差を縮めたいところだ。 今回着用するユニフォームは、“世界の盗塁王”福本豊氏がルーキー時に着用していたもの。もちろん、福本氏も現役時代は西京極球場で試合をしており、当時の選手たちは「蚊が多い球場」として認知されていたという。現在は改装され、2015年には豪華なスコアボードも導入され、夏は暑いがオリックスの山崎福也は、ルーキーイヤーにこの球場で先発した公式戦が「プロに入ってから良いピッチングが出来た試合のひとつ」として挙げている。 今年の『関西クラシック』でゲストとして来場し、久々にこのユニフォームに袖を通した福本氏は、入団時の背番号が後の代名詞となる「7」ではなく「40」だったこともあり、「40番への思い出というのは特にない。必死に練習してましたから」とコメントしていた。縦縞にオレンジを使った配色は今見ても斬新で、野外球場では、グリーンスタジアム神戸(現・ほっともっとフィールド神戸)よりも昭和を感じられるのは言うまでもない。 勇者が再び西京極に帰還する姿を見る価値はあるだろう。取材・文・写真 / どら増田
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スポーツ 2019年08月15日 11時30分
根性と精神論? スカウトはどこを見て高校球児の指名を決めるのか
夏の甲子園大会は、プロ野球スカウトのための品評会ではない。 郷土の代表校が日本一を争う。このトーナメント方式の大会が101回目を迎えた。都会に出た者、普段は野球にさほど興味のない者も故郷の代表校の勝敗だけは気に掛けてしまう。元号が変わっても、甲子園大会への注目度が高いのは、日本中が故郷を思い出す大会だからだろう。 そんな甲子園大会で見られる一つの光景が、ネット裏に陣取ったプロ野球スカウトたちである。彼らは、球児のどこを見て指名に踏み切るのか――。 「様子を見ましょう」 スカウトたちは他球団とも情報交換をする。自分たちが「イケる!」と見た球児を、他球団も高く評価していれば「大丈夫だ」と確信を持ち、その反対ならば、「もう一度調べ直そう」と思うからだ。「様子を見ましょう」はスカウトたちの間でよく使われる言葉で、指名するか否か、もしくは支配下登録で行くか、育成ドラフトに回すのかのボーダーライン上にいる球児に対し、その判断がつかないときに口に出す。 「試合で活躍したかどうかで指名を決めることは決して多くありません。練習態度も見ておりますので、総合的な判断で」(在京球団スカウト) しかし、近年ではこんな視点もあるそうだ。「誰に教わったのか」。これは結構大事なことだという。甲子園に出場した球児が大学、社会人、プロに進んだものの、活躍できなかったなんてことは多々ある。伸び悩んだと言って、切り捨てられる話ではないのだ。 高校野球は金属バットを使う。バットの芯でボールを捉える技術があれば、甲子園大会でも本塁打を打てる。しかし、木製バットの大学、社会人、まして、一流の素質を持った投手の集まるプロの世界では通用しない。金属バットは芯に当てれば長打を打てるが、木製バットではそうはいかない。木製バット独特のしなりをきかせなければ、本塁打は生まれない。この木製バットでも通じる打撃フォーム、スイング軌道を教えられる指導者の下で野球を学んだかどうか、それで指名の最終判断を下すケースもあるそうだ。 先の在京スカウトがこう続ける。 「反対にこの人に教わったからダメだという目で見られている指導者はいません。ただ、この人に教わったから、打撃の基礎技術がしっかりできているとプラス材料で判断しています」 高校時代に「正しい打撃基礎」を習得した者が、上の世界に進んでも伸びるというわけだ。もっと言えば、この時期に学ばなければ手遅れになる。 「前時代的な表現ですが、最後にモノを言うのは精神力、根性。1位と2位の差も、それしかない」(前出・同) 野球に限らず、スポーツにおける暴力的な指導はなくしていかなければならない。スカウトたちの言う「根性」とは、一見理不尽にも思える練習メニュー、長時間の特訓を指示されたときの態度だ。「なぜ、こんなつらい練習をしなければならないんだ?」と否定的に捉えるか、「こんなところで自分に負けてたまるか!」と歯を食いしばって耐えられるかどうか、その精神力がなければ、プロの世界ではやっていけないのだ。 スポーツの世界でメシを食っていくとは、そういうことなのかもしれない。 真夏の日中に日本一を争う大会は残酷でもある。頑張りすぎて、せっかくの才能を甲子園で終えてしまわないよう、大人たちはもっと配慮しなければならないのだが…。(スポーツライター・飯山満)
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スポーツ 2019年08月15日 06時30分
高校野球「球数制限」よりブーイングが大きそうな「女子マネ」問題
夏の甲子園が101回目を迎えた。新元号の新たな一歩を踏み出した今大会は、女子マネジャーの地位も向上させようとしている。 「まだ一部ですが、全国には『ノックのできる女子マネジャー』が出現しました。公式戦では試合前に女子マネジャーがノックをするのは禁止されていますが、普段の練習では監督に代わってノッカーを務めているそうです」(スポーツ紙記者) 地方大会の予選中、出場校を紹介するVTRなどで、何校か、その姿が紹介されたという。その女子マネジャーは、もともとはプレーヤーだったとか。小学校、中学校でクラブチームや軟式部活動に在籍し、進学先にソフトボールや女子野球の部活動がなかったため、マネジャーに転身。打撃の基礎技術ができているので、ノックはお手の物。男子顔負けの鋭い打球を内外野にガンガン飛ばし、中には監督でもミスショットをすることの多いキャッチャーフライまで打てる女子マネジャーもいるという。 「女子マネジャーがノックのお手伝いでボール渡しをすることについても、高野連は禁止していました。世論から非難を浴び、2016年以降はヘルメット着用で許可されました。各校の監督、部員が女子マネジャーのグラウンド入りを認めているのなら、特に問題ない話でしょう」(同・記者) ひと昔前は記録員としてのベンチ入りも認められなかった。もっとも、女子マネジャーのノックは学校数が少ないので、すぐにルール変更とはならないかもしれないが、こんな声も聞かれた。 「昨夏、100回目の記念大会を盛り上げるため、女子ダンス部のある関西圏の学校3校に『栄冠は君に輝く』のPRビデオを作成し、ネット上で180万回以上の再生がカウントされています。今年も制作されました。高野連も女子高生に力を借りているのだから、女子マネジャーに何かと制限を付けるのはおかしいでしょう」(スポーツライター) 大会後、高野連幹部は有識者を招き、球数制限に関する協議を行う。女子マネジャーのさらなるグラウンド進出も早めに手を打っておかなければ、球数制限同様、社会問題に発展しそうだ。
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スポーツ 2019年08月15日 06時30分
エンゼルス・大谷に“天敵”が出現! 無名左腕にきりきり舞いさせられた敗因は…
大谷翔平は“サイタマ”が苦手のようだ。 母校・花巻東の先輩、菊池雄星(シアトルマリナーズ、前埼玉西武)との2度目が実現する前だった。大谷は「苦手投手」に苦しめられていた。 「メジャーデビューした昨年は、単なる偶然というか、たまたまそうなっただけだろうと思われていたんですが、ここまで続くと、大谷も苦手投手として、彼のことを意識せざるを得ません」(特派記者) 大谷キラーと呼ばれ始めた投手がいる。シアトルマリナーズの左腕、ウェイド・ルブランだ。34歳、キャリアハイは2018年の9勝。MLB実働11年目、08年、パドレスでメジャーデビューしたが、その後、複数球団を転々とし、昨季、マリナーズに拾われ、“やっと”先発ローテーションに定着した苦労人だ。その18年のキャリアハイの9勝を含めて、通算成績は39勝。また、15年、日本の埼玉西武に在籍したこともあったが、8試合に投げただけ(2勝)。そんな西武ファンも良く覚えていないピッチャーが「大谷キラー」として、米野球ファンの間で話題になっている。 マリナーズの所属するア・リーグ西地区に詳しい米国人ライターがこう続ける。 「真っ直ぐは140キロが出るかどうか、変化球を主体としたピッチングスタイルですが、球種が多いわけでもなければ、空振りの取れるような決め球もありません」 ルブランがマリナーズで掴んだチャンスをモノにできたのは、カットボールを有効に使えたからだ。「カット・ファスト・ボール」「カッター」とも称される変化球だが、要はストレートと同じ軌道で、バッターの手元で小さく曲がるもの。球速もストレートに近いため、見分けがつきにくい。このボールは、埼玉西武時代に習得したものだという。 18年は、大谷とは8打席の対戦があって、ノーヒット。打者に専念している19年も、3打席無安打(日本時間7月14日時点)。完璧に封じ込めている。 「西武時代に覚えたカットボールですが、このボールを覚えて飛躍的に成績が良くなったわけではありません。米球界に復帰後も好成績を残せず、球団を転々としております。たまたま、マリナーズでカットボールを多投したら、うまく行ったようです」(前出・同) 大谷の苦手について言うと、昨年8月のアストロズ戦では、こんなこともあった。リーグを代表する大エースのジャスティン・ヴァーランダーが、「大谷にチェンジアップを投げてみたら?」と投手コーチから助言された。ヴァーランダーはそれに従ったが、結果はホームラン。その後、ストレート主体のピッチングに戻し、大谷をねじ伏せている。 「ヴァーランダーはチェンジアップを得意としていましたが、ここ数年は『高めに浮くようになった』と言い、封印していました。なぜ、投手コーチがそのチェンジアップを勧めたかというと、大谷は緩急をつけたピッチングをされると、長打が出ていなかったんです。バットにボールを当てに行くだけ。『緩急が苦手かも』という、攻略法に関する仮説が出ていたからです」(前出・同) ヴァーランダーと大谷の対戦成績は14打数3安打(18年)。ヴァーランダーは自慢の直球で押しまくる時もあれば、鋭角に曲がるスライダーで大谷を苦しめている。 「ヴァーランダーのスライダーは真っ直ぐとほぼ同じ球速」(前出・特派記者) 150キロ台後半の速球を投げるヴァーランダー。ルブランは140キロそこそこだが、カットボールもほぼ同じ球速を記録している。「ストレートの軌道、球速で来て、手元で変化する」という点では共通しているが…。 菊池はサイタマ時代も同僚だったルブランに、大谷と対戦したときの心象を聞き直したという。菊池は大谷との最初の対戦で3打数2安打1本塁打と打ち込まれている。NPB時代から対戦してきたので、「分かっていたつもり」になっていたのだろう。ルブランの助言が生かされれば、大谷が“サイタマ”に苦手意識を抱くことになりそうだ。(スポーツライター・飯山満)※MLB選手のカタカナ表記は「メジャーリーグ名鑑2019年」(廣済堂出版)を参考にしました。
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スポーツ 2019年08月14日 21時45分
Jリーグに激震!『湘南ベルマーレ』曽監督がパワハラで解任か
Jリーグに激震が走っている。J1リーグ『湘南ベルマーレ』の曹貴裁監督が、選手やスタッフに対してパワハラを行ったと一部スポーツ新聞で報じられた。同日、湘南は「記事内容の詳細を確認し、Jリーグと協議の上で、報道された内容に関する事実関係の調査を速やかに行う」とコメントした。 翌日、スポーツ紙に、2018年2月〜19年7月まで、少なくとも3人の選手と2人のスタッフが、監督からの暴言などによる精神的苦痛とみられる症状でチームを退団していたと報じられた。さらにJリーグに被害者や目撃者、関係者らから匿名で報告された。この報告を受けてJリーグは、同監督が所属選手やスタッフに対してパワハラを行っていた疑いがあるとして、今月中にもクラブや本人へヒアリングなどによる調査を行うことを決め、クラブ側は第三者委員会を設置する方針を発表。調査結果が出るまでは自宅謹慎になることが濃厚で、当分は監督抜きでの試合を強いられることになるという。 記事によると、曽監督のパワハラは日常茶飯事で、全体ミーティングでの個人攻撃は当たり前。個人ミーティングでも行っていたという。選手、スタッフの前で扇風機を蹴飛ばして壊したり、激高してペンを床にたたきつけることもあったとも…。ある選手は高圧的な態度や罵倒行為が原因で精神的に追い詰められ、練習グランドで嘔吐を繰り返したり、練習場に通うことができなくなり、通院して治療を受けた選手も複数いたという。 湘南は昨年16人もの選手が退団したが、中には指揮官の指導方法に疑問を感じたことが理由の選手も多くいたようだ。 この報道にサッカーファンからは、《地元のベルマーレファンです。馬入の練習場にも行ったことありますが、曹さんもフランクに話してくれたし、写真撮影も気軽にしてくれました。こんな報道が出たのはかなりショック》《試合前に嘔吐するってよほどですね。ただ難しいのはプロなのでそういった緊張感も必要なですし、監督と合う合わないもあるので、すべてパワハラが原因なのかの判断は難しいと思います。その厳しさが去年のルヴァンの優勝につながったのかもしれませんし》《これは親会社のライザップから出てきた話でしょう。ライザップから出向してきた社員がパワハラを受け休職と詳細が公表されてますし。ライザップ側は監督と何十にも話し合ってコミュニケーションを取っているのか。ライザップの瀬戸社長は監督と話し合ったのか。ここはぜひ瀬戸社長と監督のトップ同士が何十にも話し合ってほしい。お互いの気持ちをぶつけ合って話し合うべきでしょう》 など、さまざまな意見が出ている。 曽監督は12年に湘南ベルマーレの指揮官に就任。J1リーグでは『松本山雅FC』の反町康治監督とともに最も長く1つのチームを指揮する人物である。走力と精神力を鍛える育成方針で、MF遠藤航、MF永木亮太ら無名選手を育て上げて日本代表に送り出した名監督の1人だが、果たしてこのまま解任されてしまうのだろうか。
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2011年センバツ大会特集(2) 大会実施が決定 九州地区がマスコミ予想を覆す
2011年03月19日 18時00分
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日本人メジャーリーガーはどうなる? 「上原浩治=オリオールズ」 ストッパー完全転向で大躍進も…
2011年03月19日 18時00分
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2011年03月19日 18時00分
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【コラム】プロ野球、セ・リーグ開幕は予定通りの3月25日でいいのか!?
2011年03月19日 18時00分
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大震災で事実上中止となった地下プロレス『EXIT-64 CORE:U』。コアスタジアムに出現した、幻の10 分間とは何か。
2011年03月17日 19時00分
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スポーツ
愛知県豊田市発! 名古屋グランパスSA、義援用飲料水集め
2011年03月16日 19時00分
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スポーツ
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「イチロー=マリナーズ」 今季は前人未到の記録と『ディケイド表彰』
2011年03月16日 15時30分
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スポーツ
2011年センバツ大会特集 高校球児は被災地の勇気に…
2011年03月16日 11時45分
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スポーツ
全日本プロレスから被災地の皆様にコメント
2011年03月15日 17時59分
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キャンプ・オープン戦中間報告「阪神」 新人・榎田が先発人材難を救えるか…
2011年03月15日 15時30分
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日本人メジャーリーガーはどうなる? 「松井秀喜=アスレチックス」 100打点のノルマ克服で復活を目指す
2011年03月15日 15時30分
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スポーツ
日本人メジャーリーガーはどうなる? 「西岡剛=ツインズ」 米国版「和の野球」で、100得点&三塁打量産も
2011年03月12日 18時00分
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スポーツ
ディアナ旗揚げ記念イベント『井上京子&野崎渚サイン会 in T-1』が延期
2011年03月12日 17時00分
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スポーツ
ガッツワールド・プロレスリング蕨大会開催が延期
2011年03月12日 10時30分
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日本人メジャーリーガーはどうなる? 「建山 義紀=レンジャース」 スライダーのキレがダルビッシュの落札金を変える?
2011年03月11日 15時30分
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快挙! 沖縄プロレスの地上波テレビレギュラー放送決定!
2011年03月11日 15時30分
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ネパールの余波が高田馬場に伝染!? “カンパイ・ボーイズ”入道&梅沢が阿吽王座死守 2・27地下プロレス『EXIT-63 MIDNIGHT』
2011年03月11日 11時45分
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ガッツワールド・プロレスリング3・12蕨大会に注目!
2011年03月10日 15時30分
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キャンプ・オープン戦中間報告「福岡ソフトバンク」 12球団トップの巨大戦力で連覇を
2011年03月10日 15時30分