東京都大田区は条例で風俗店が客引き等を行うことを禁止しているが、繁華街では客引きが横行している。悪質客引きを巡っては、街のイメージ悪化や身に覚えのない少額を上乗せした“プチぼったくり被害”が報告されている。JR蒲田駅周辺では地元町会や蒲田警察署、大田区職員など約50人によるパトロールが行われている。
何度も注意されている客引きも少なくなく、大田区の担当者は「条例に基づいて取り締まりを行っており、警察も検挙活動を強化しているがなかなか減らない」と語る。元警視庁警視の櫻井裕一氏は最近の傾向などについてこう話す。
「客引きはグループ化していて、どこの店にも連れて行く。お店から出てきた客を他の客引きがまた別の店に連れて行く。歌舞伎町では、“ぼったくりのたらい回し”が多かった。グループ同士でケンカに発展することもある」
櫻井氏は、身に覚えのない金額を請求されたら、絶対にカード払いしてはいけないとアドバイス。そのうえで、すぐに警察に通報すべきだと言う。客引きややぼったくりは最近始まったことではないのだが、事情の知らない観光客は引っかかる可能性があるだろう。
番組が次に追ったのは、東京・青梅市の多摩川上流、バーベキュー場。近隣住民は放置されたゴミに苦慮しており、地元のボランティアがゴミ片付けをしている。多いときは40リットルのゴミ袋で14袋分を回収するという。他県からの利用者も多いバーベキュー場だが、青梅市民の税金で処理されている。
ゴミの不法投棄の他に、バーベキューの際の直火禁止も条例で決められている。炭火が枯れ草に引火するなどして火災の原因になるからだ。
番組コメンテーターのコラムニスト、小原ブラスは「バーベキュー場を有料にする、あるいは先に保証金を預かる。海外では有料のところも多い」と語る。豊かな自然を守るには、禁止事項を増やすだけでなく、その場所を収益源と考える発想の転換が必要だ。
番組が最後に追ったのは、静岡県富士市の田子の浦港。ここで問題となっているのが、立入禁止区域での迷惑釣り人。田子の浦港は海外の船舶が入港するため、国際条約に基づき保安区域が設定されている。迷惑釣り人に番組が直撃取材したところ、「禁止だったら3メートルのフェンスにして、完全に入れなくしてほしい。そうすれば自分も諦めるから。あのフェンスじゃ諦められない」とまったく身勝手な言い訳。
停泊している漁船のあちこちに釣り用のルアーが引っかかっている光景も見える。これで漁師がケガをしたり、シラス漁で使うローラーのタイヤがルアーによってパンクする被害も出ている。立入禁止区域では釣り人の落水事故もたびたび起きており、中には救助された釣り人が「どうして助けるんだ」と逆ギレしたケースもあるとか。小原は「日本は優しすぎる国。国民に増税はするのに、(ルールを守らない人から)なかなか罰金を取らない」と指摘。日本社会のあり方も変えるべきタイミングかもしれない。