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北朝鮮 核弾頭35発保有と韓国の属国化

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提供:週刊実話

 6月10日付の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は「主体朝鮮の絶対兵器」という論評の中で、「偉大な党中央と思想も志も歩みも共にし、祖国繁栄の燦爛たる明日を前倒ししていく」と党員に呼びかけた。

 北朝鮮で対外的に「党中央」の表現が登場したのは、国営メディアが1974年に使い始めたのが最初。その呼称が当時、国内外でまだ無名だった金正日氏を指していたと、後年になって判明している。

「このところ北の各機関では金与正党中央委員会第1副部長の発言を盛んに引用しており、その権威付けが顕著です。後継者が最後に任されるのが対南(韓国)事業。現在の与正氏が韓国に強烈な圧迫発言を繰り返していることから、内部的に後継作業が進んでいる可能性は大です。金正恩党委員長が健康不安を抱える中、ついに彼女が『党中央』まで上り詰めたというわけです」(国際ジャーナリスト)

 一方で6月9日、長崎大学の核兵器廃絶研究センターは、世界に存在する核弾頭数(推定)を公表した。そのデータによるとロシアが6370発、米国が5800発、中国が320発の核弾頭を保有しており、さらにフランス290発、英国195発、パキスタン160発、インド150発、イスラエル80〜90発と続く。全体的に数は減っているが、例外は北朝鮮だ。

「北朝鮮は35発の核弾頭を保有していると推定され、昨年の20〜30発に比べると脅威を増しています。金ファミリーの秘密資金管理機関『朝鮮労働党39号室』で約30年間も高位幹部を務め、その後、米国に亡命した李正浩(62)氏は、核弾頭数を推定60〜70発としており、今年中には100発に達すると分析しています」(同)

 北朝鮮がイスラエルを抜き、インドに肉薄する核弾頭を保有する日も、そう遠くないということだ。

「’17年11月、北朝鮮は米国ワシントンを射程に収める大陸間弾道ミサイル(ICBM)『火星15』の発射実験を成功させている。正恩氏はこれにより、米国の核の脅威に対抗する『戦争抑止力』を確保したとの認識を一方的に持っていたのです」(同)

 ところが’19年2月、意気揚々とベトナム・ハノイでの米朝首脳会談に臨んだところ、あえなく決裂して大きな挫折を味わったという。

 しかし、それから瞬く間に固体燃料を使った北朝鮮版イスカンデル(短距離弾道ミサイル)や北朝鮮版エイタクムス(地対地ミサイル)、大口径操縦ロケット砲、超大型多連装ロケット砲など新兵器を次々に開発して、今や韓国軍のキルチェーン(北朝鮮ミサイルへの先制攻撃)を無力化したばかりか、在韓米軍を攻撃できるまでの「国防力の強化」を手に入れている。

「’19年10月には、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)『北極星3号』の発射(固定式の水中発射設備から)に成功しており、現在は弾道ミサイル3発を搭載可能な新型潜水艦を建造中です」(軍事アナリスト)

 仮にA国がB国の保有する核兵器の配備場所を突き止め、そのすべてを破壊したとしても、海面下に潜む潜水艦は最後に報復の一撃を撃ち込むことができる。米露はSLBMを搭載可能な原子力潜水艦を保有することで、強大な抑止力を手にしたとされる。

「ただし、北朝鮮が公開した潜水艦の製造写真を見ると、溶接技術に難があるようです。仮にこのままのレベルだとすると海中深く潜航する能力に欠け、下手をすればSLBMを発射したときの衝撃で艦体がバラバラになるでしょうね」(同)

 新型潜水艦が不満足な出来で、とても人目にさらすことができないとすれば、そのつなぎとして軍事パレードを決行し、韓国に圧力を加えることも考えられる。折しも6月25日は、朝鮮戦争勃発70周年にあたる。

「北朝鮮を核保有国とし、世界一の超大国である米国と直接交渉するまでに軍事力を備えてきた正恩氏は、もはや誰も自分の地位を脅かす者はいないという自信に満ちている。ただし、そうなると正恩氏が非核化に応じることは、絶対にないという皮肉な結論になってしまうのですが…。当面における北朝鮮の課題は、国連制裁や新型コロナがもたらす飢えと金欠です。北朝鮮は武力を背景にして、韓国が親北政権であるうちに属国化から併呑しようと、あらゆる方策を弄している最中なのです」(北朝鮮ウオッチャー)

 先の正浩氏は、北朝鮮が90年代に飢饉と経済政策の失敗で大混乱に陥った際、韓国の金大中政権から提供された秘密資金の39億ドルが、瀕死の状態を救っただけでなく、その後、核・ミサイル開発の原資になったと明かしている。
「現在の文在寅政権も同じ親北とはいえ、国連や米国の手前、そうは大っぴらに援助することができない。なので与正氏は、ビラ散布うんぬんや『韓国当局と決別するときが来たようだ』『敵国への次の行動の行使権は、わが軍の総参謀部に委譲する』という恫喝で、韓国の従属度を計っているのです」(軍事ブロガー)

 では、与正氏の本心はどこにあるのか?

「米国のトランプ大統領は、北朝鮮の韓国攻勢を『遠い国の紛争に介入しない』と突き放しました。この状況は、70年前の朝鮮戦争勃発前夜とよく似ています。北はこれまで長く武力統一を口にしたことがなく、よもやとは思いますが…」(同)

 朝鮮半島で南北の緊張が高まりつつある。35発の核弾頭は、日本にとっても看過できない大きな脅威だ。

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