発売当時はバブル期ということもあり、車両価格が400〜500万円と高額ながら破竹の大ヒット。“シーマ現象”という流行語も生まれ、社会現象にまでなった名車に一体、何があったのだろうか…。
「実は今、当時乗りたくても高くて手が出なかった40代以上の世代が、中古で購入するケースが増えているのです。加えて、若者の間で『昭和時代に人気だった高級車に乗ってみたい』と人気で“新シーマ現象”が起きています。古くても内装は豪華で、今では珍しいV6・3000ccの大排気量は迫力満点。自動運転などの安全装備こそ現代の車にはかないませんが、アクセルを踏み込むと一瞬リアの足回りが沈み込んで、一気に加速する力強い走りは、今でも十分魅力的です」(自動車ライター)
30年近く前のモデルで、中古車の台数は多くないと思いきや、大ヒットしたモデルだけに意外と多いという。気になるお値段だが、市場の平均相場は安いもので70万円程度。きちんと整備され、キレイな車両になると300万円にもなるという。
そんなドライバー憧れのシーマだが、新車で購入し、きちんとメンテナンスしながらいまだに乗り続けている人も多い。芸能界にもオーナーがいる。
「女優の伊藤かずえは初代シーマのオーナーとして知られていますね。伊藤は1990年、24歳のときにディーラーでシーマを見て一目惚れし、その場で購入したそうです。現在まで26万5000キロを走行し、今でも日常の買い物の足として使用しているみたいですね。過去に一度、エンジンを載せ替えているというのですから、そのシーマ愛は本物と言っていいでしょう。最近はエコカーブームでハイブリッド車や電気自動車が主流になっていますが、今どきリッター4、5キロ程度しか走らないシーマをずっと乗り続けているのですから、車も幸せでしょうね」(同・ライター)
将来的にはガソリンで走る車は必然的に淘汰されていくだろう。伊藤には元祖“シーマ現象”を知る者として、末永く乗り続けてもらいたいものだ。