『日本農業新聞』の最新情報では、全国の卸売市場で取引される野菜は過去5年間の平均価格を100とすると、白菜225、エノキダケ180、シメジ143、大根128だ。
「高値になっている野菜は鍋料理用。今年は暖冬で売れ行きが伸びずに安値だったのですが、コロナ禍で巣ごもりする消費者が保存性の高い野菜を買い求めたため、野菜の生産量が追いつかず値段が高騰しているのです」(青果仲買卸業者)
コロナ騒動前は1玉200円以下だったキャベツも、現在は約250円が相場だ。
「キャベツやレタスは高原地帯で栽培される。高原野菜の有数の生産地である長野県川上村には、毎年100人弱の外国人技能実習生が働きに来る。大半はフィリピン人やベトナム人。ところが、政府は3月28日に両国からの入国制限を設けた」(留学支援センター関係者)
結果、川上村で働く予定だった技能実習生は6〜7割程度しか入国できず人手不足に。やむなく農家側は作付けを減らした。今後、さらに値段が高騰するとみられている。
「タマネギの輸入先は中国が約96%を占めます。中国のコロナ騒動で輸入量は30%減。スーパーなどの小売店では国産品しか販売していませんが、弁当や調理済み食品などはほとんど中国産のタマネギが使われている。輸入減が続けば、供給量が追いつかない。野菜類は軒並み高騰するはずです」(フードライター)
安くて栄養価が高い果物のバナナも同様。一房200円前後で売られていた物が、いまや300円台だ。
「輸入バナナの75%を占めるフィリピン産が貨物便の減少で入りにくくなっている」(農水省関係者)
野菜不足は必至だ。