それから約1カ月後、地元の東奥日報に「この発信が電話線トラブルによるものだった」という記事が寄せられた。電話会社の保線員が現場を調査したところ、切れかかっていた電話線を発見したと報じたのだ。つまり、“偶然”119番通報されてしまったということである。
果たして、偶然で電話がかかることなどあるのだろうか。しかも、この別荘地一帯は、1902年に参加者210人中199人が死亡した「八甲田山雪中行軍遭難事件」があった場所で、ここは青森第五連隊の行軍経路だった。「199人の歩兵たちは今も八甲田山を行軍中で、なおも山から下りられずに助けを求め続けているのだ」と、一部の地元民は現在も信じ続けているような場所である。
真相は今も分かっていない。しかし、似たような事例が再びあったとしても、さほど驚くようなことではないのかもしれない。