販売台数トップはホンダの軽自動車『N-BOX』で、1位から6位が軽自動車で埋め尽くされていた。
1万台以上販売したのも軽自動車のみだったが、一般車であるトヨタ新型SUV『ライズ』が9979台と奮闘している。
「『ライズ』は、トヨタのグループ会社であるダイハツ工業のOEM車。OEMはOriginal Equipment Manufacturingの略で、相手先企業のブランドを付けて販売される完成品。つまり他社が開発・生産した車を自社ブランド製品として売ることです。昨年の11月に発売されて以来、一般車販売台数で毎月首位を飾っており、納期が3カ月以上かかるほどの人気です」(トヨタ系自動車ディーラーの担当者)
軽自動車が人気を集める自動車業界で、なぜ『ライズ』は売れているのか。ある自動車評論家は「『ライズ』には近年の車にはなかった、単純に欲しいと思わせる要素が詰まっている」と絶賛する。
まず1つが“価格”だ。
「近年は新車価格が高騰傾向ですが、販売価格が200万円前後というのは非常に魅力的です。しかも、この価格帯の車はデザインからしてチープな印象を醸し出すものが多かったが、遊び過ぎず、かつ小型SUVとしての力強さをアピールしており、非常にバランスが取れています」(同・評論家)
さらに“サイズ感”についても絶賛する。
「小型車で人気のホンダの『フィット』やトヨタの『ヤリス』、さらには、軽自動車では物足りないというゾーンをうまく捉えています。小型ながらもSUVであることから、ドライバーの目線が高く、運転しやすい。高齢者にも人気車種となっていますよ」(同)
消費者のニーズをうまく捉えて好調なライズではあるが、新型コロナウイルスの影響か、自販連が発表した2月の一般車の総販売台数は、23万1555台(前年同月比マイナス10.7%)と減少している。
コロナ禍で今後の販売動向は未知数だ。