「2023年の女子ワールドカップの招致に向け、日本は国際サッカー連盟(以下=FIFA)に意志証明書を提出しました。韓国も23年の招致を目指しています」(専門誌記者)
その第1ラウンドともなったのが、去る4月6日に行われたFIFAの理事選挙。日本の田嶋幸三会長は再選を果たしたが、韓国協会会長のチョン・モンギュ氏は落選。この結果を受け、韓国側は「日本の陰謀だ」と難グセをつけ始めた。
「23年の招致を巡って、徹底的に日本と争うという意見と、またもや日韓共催になるのではないか、という意見が出ています。韓国は北朝鮮との共同開催で、政治的なアピールもできますが、男子のW杯招致を目指す中国に対して、日本と韓国、どちらが中国を味方に付けるかがポイントになりそう。この点では韓国が優勢ですね」(同・記者)
そこで急浮上してきたのが、澤穂希だ。『なでしこジャパン』は今年6月開催のW杯フランス大会での優勝を目指し、奮闘中。サッカーの国際大会で巨額な広告出資を続ける中国を味方にできないとなれば、なでしこには勝ちまくってもらうしかない。その後、切り札の投入だ。23年の自国開催に向け、澤を表舞台に呼び戻し、海外にもアピールする作戦である。
「澤は11年W杯の得点王であり、MVPも受賞しました。FIFA最優秀選手賞も同年に獲得しており、世界中が知るレジェンドです。その澤が自国開催で代表チームを指揮するとなれば、最高の絵柄です」(関係者)
現代表の高倉麻子監督は、2大会ぶりの優勝を目指している。だが、一方で「自分は澤へのつなぎ」と口にすることもあり、代表メンバーの世代交代を一番の課題に挙げてきた。
韓国からの日本バッシングに、田嶋会長は全く動じていない。切り札温存による余裕と見るべきだろうか。