選択的夫婦別姓
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社会 2025年07月13日 18時00分
「選択的夫婦別姓」は参院選の隠れた大テーマ、“政党”ではなく“個人”で候補者を選ぶ基準に
昨年秋の自民党総裁選でも争点となった「選択的夫婦別姓制度」。小泉進次郎氏と河野太郎氏は賛成を明言し、何より石破茂氏も前向きな姿勢を見せ総裁に選ばれ首相となった。閉会した先の国会では、衆議院法務委員会で28年ぶりに法案の審議が行われたが、衆議院で少数与党となった自民党が野党の要求に応ぜざるを得なくなったからだ。選択的夫婦別姓を巡っては、国連の委員会が昨年10月に、夫婦同姓を定めた日本の民法について改正勧告を出している。実に4回目の勧告だ。先進国としては恥ずかしい限りで、もはや国際問題と言っても過言ではない。国内でも経団連が昨年6月、「選択的夫婦別姓の早期実現を政府に求める提言」を初めて発表した。十倉雅和会長(当時)は「女性活躍が進み女性役職員も増加する中、名字の問題はビジネス上のリスク」と話した。8日放送のテレビ朝日「モーニングショー」では、法案審議が行われたにもかかわらず、なぜ国会で決められなかったのか解説した。「自民党には賛否両論あり、保守系の慎重論が根強く、法案提出を見送った。石破総理も『党議拘束を外すことも選択肢の1つ』と言ったが、それすらも強硬に反対する議員がいて、秋の臨時国会への継続審議となった」(毎日新聞専門編集委員・佐藤千矢子氏)この制度の肝は“選択的”という部分。選択的夫婦別姓は言い方を変えれば「選択的夫婦同姓」ということだ。同姓にしたいカップルは同姓にすればよいだけのこと。「同姓が良いという人は、別姓が良いと考える人の自由を奪っている状況だ」(コメンテーター・玉川徹氏)多様性のある社会を認めるのか、認めないのか。選択的夫婦別姓というテーマは“リトマス試験紙”のような役割になっている。9日、参院選に出馬している山尾志桜里氏は、街で出会った小学5年生から「政治家にやってほしいこと」として、「女性天皇と選択的夫婦別姓」と言われたとX(旧Twitter)に投稿した。これにはさまざまなツッコミが殺到して、「小学5年生」がトレンド入りする事態にもなった。しかし、ここまで過剰に反応する人が多いというのは、裏を返せば、このテーマが参院選でも大きなテーマであることの証左だ。今回の参院選の結果は、秋に開かれる臨時国会の議論を大きく左右する。選択的夫婦別姓に明確に反対しているのは、保守党と参政党だけだ。維新は他の野党とは異なり「旧姓使用しやすい法改正」を提案している。与党の公明党が賛成しているので、選択的夫婦別姓制度の実現は、自民党次第とも言える。前述の通り、自民党内の意見は分かれており、候補者個人を見ないと判断できない。ただ最近では、賛否を答えない「無回答議員」も目立っている。自民党の古くからの支持母体(神道政治連盟など)が反対していて、はっきりとした態度が取れない議員が増えているためだ。有権者は、情報リテラシーと“人を見る目”が試されている。
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トレンド 2025年07月09日 19時15分
山尾志桜里候補が演説中に遭遇した小5「政治家に求めるもの」は「女性天皇と選択的夫婦別姓」 ツッコミ殺到
7月20日に投開票が行われる参議院議員選挙に無所属で立候補している山尾志桜里氏がX(旧Twitter)で、遭遇した小学5年生が「政治家にやってほしいこと」として、「女性天皇と選択的夫婦別姓」を挙げたことを明かし、ツッコミが殺到している。東京選挙区から立候補する山尾氏。政治スタンスとして「女性天皇を認める」ことを挙げているほか、「選択的夫婦別姓」にも賛成の意思を示している。そんな山尾氏だが、9日にXで「三鷹駅」「小5男子がわざわざ来てくれました!」とつづり、ノートを片手にしゃがみ込んで目線を上げている自身の写真を公開。写真の先には、長袖シャツとベージュのチノパンを履いた人物がいたが、顔は映されていなかった。(当該ポスト削除済み)山尾氏は、「『政治家になにをやってほしいですか?』と聞いたら『女性天皇と選択的夫婦別姓』と即答」と小学5年生の男児との会話を明かし、「やるよ!」と意気込んでいた。また、このポストに「私はこのくらいの年齢で友人と政治の話をしてたよ」という声が寄せられると、山尾氏はこれを引用し、「子どもであれ、大人であれ、自分の考えを持っている人は持っている。ただそれだけ。決めつけ思考は大人に多いけどね」とつづっていた。このポストに編集者の箕輪厚介氏はXで「さすがに嘘」と反応。実業家の田端信太郎氏も「小5の男の子が!?」「誰かに言わされてるに決まってるでしょw」とツッコミを入れていた。また、Xユーザーからも、「子どもを利用した創作にしてはお粗末すぎます」「小5男子がそれを即答したなら、その子の家庭環境に気を配ってあげたほうがいいと思う……」「もういい加減どの党も子ども利用するのはやめようよ」という声が集まっていた。さらに、「小学5年生」がトレンド入りすることとなった。