ところが大盛り上がりの日本とは対照的に、世界のラグビーファンは冷ややかな目で見ているという。
「開催国ということで日本の試合は週末に組まれ、中6〜7日で試合に臨めます。一方、同じプールAの他チームは、日本との対戦時に限って“超過密日程”を強いられているからです」(専門サイトのライター)
歴史的敗北を喫したアイルランドは中5日だったのに対し、日本は中7日。次戦(10月5日)のサモアは中4日、次々戦(同13日)のスコットランドに至っては中3日の強行日程だ。
言うまでもなく、ラグビーは疲労がたまりやすく、負傷も多いスポーツ。日本戦に限って“超過密日程”で戦わされる相手国には同情を禁じ得ない。
「休養期間があまりにも短いので、ケガを防ぐために日本戦では補欠を出して、試合を捨てるチームが出る可能性もあります」(同・ライター)
予選リーグのグループ分け自体は、これまでの戦績を勘案して強豪国をなるべく均等に振り分けている。ただ、各プールの日程はW杯組織委員会に委ねられ、ホスト国の日本が有利になるように仕組まれているというのだ。
「休養日の長短は、アイルランド戦のような接戦になると如実に反映されます。開催国特権とはいえ、あまりに不公平な“情実日程”ですよ」(同)
会場に足を運んだ観客からの不満も噴出している。飲食物の持ち込みが禁じられ、子供用の飲料水まで取り上げるほどだった。
「会場内のフードコートは、軽食やソフトドリンクを限定的に用意しただけ。開幕戦の日本対ロシア戦では飲食物を求めて長蛇の列ができ、前半終了時にはほぼ売り切れとなって外国人客が激怒する場面もありました。一方、大会スポンサーである『ハイネケン』は売り子を大量動員。ビール350mlが700円、500mlが1000円という価格にもかかわらず、飛ぶように売れていました。世界的にラグビー観戦にビールは付き物ですが、あまりに露骨だと文句を言う外国人客もいましたよ」(スポーツ紙記者)
「紳士のスポーツ」とされるラグビーだが、五輪同様、商業主義のW杯はエゴとカネにまみれている。