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阪神 鳥谷「戦力外」 アニキ金本、福留ら外様に掻き回された晩節

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提供:週刊実話

 看板選手の「退団」が一気に決まってしまった――。長くチームを支え、かつ今季も選手の応援グッズの売り上げがトップを争っている鳥谷敬(38)に対し、「引退勧告」が出されるとは、誰も思わなかっただろう。それも、シーズンの佳境に、「慎重に対処する」と言っていたのに、だ。

 「事前に話ができていたんでしょう。先に口外してしまったのは鳥谷の方なので、フロントとして動きやすかったのかもしれません」(在阪記者)

 鳥谷の晩節は“外様”に掻き回されたと言っていい。

 「岡田式になるか掛布型になるか、今はその二択でしょう」(同)

 話は8月25日、神宮球場でのヤクルト戦にさかのぼる。4点ビハインドで迎えた9回表、1死の場面で鳥谷が代打起用された。内野安打を放ったものの、得点には至らずそのままゲームセット。一塁まで全力疾走した鳥谷は試合後、記者団に「神宮どころか、自分が最後の打席になるかもしれないからね」と、自虐的にこぼしたのだ。

 額面通りに受け止めれば、“引退表明”だ。

 翌26日、阪神ナインは早朝便で甲子園に帰るため、虎の番記者は午前5時に宿舎ホテルを出るところを待ち伏せし、発言の真意を確かめた。

 「来年、二軍だったら最後かもしれないということ」

 鳥谷は笑顔で“引退”を否定したが、阪神フロントの対応は早かった。別件で都内にいた谷本修球団本部長が「あれだけの選手なので。丁寧にやっていかなアカンと思っています」とコメントしたのだ。

 功労者の引き際をめぐる舞台裏について、ベテラン記者が解説する。

 「8月29日、鳥谷本人と揚塩健治球団社長、谷本本部長、そして嶌村聡副本部長との4者会談が行われ、そこで引退勧告がなされました。年俸4億円で、今季が5年契約の最終年。打率2割8厘で、本塁打、打点ゼロですから(9月1日時点)、功労者の晩節を汚したくないという意味で、つらい発言がされたようです」

 これに対する鳥谷の回答だが、球団社長らがメディアに伝えたところでは、「去就は検討中」のような返事をしたとなっているが、実際は違う。鳥谷は、ハッキリ、即答した。

 「他球団に行きます」と…。

 シーズン中なので、今後の手続きは、いったんペンディングされた。

 「球宴前、鳥谷は矢野燿大監督の指示で、一塁の守備練習を始めました。昨秋、ショート一本でやり直すと話し合って決めたのに、です。鳥谷からすれば、試合に出ることに飢えていたし、出られるのなら『ショートへのこだわりを封印しても』の思いがありました。なのに、球団は新外国人(ソラーテ)を獲得しました。ショートの定位置を獲りつつあった木浪聖也の調子が落ちていたこと、一塁手のマルテの打撃がイマイチだった当時のチーム状況を重ねて考えると、この時点で虎フロントは鳥谷をアテにしていなかったことになります」(同)

 また当時、矢野監督は鳥谷の二軍降格も検討した。あくまでも「仕切り直し」、「リフレッシュ」が目的だが、チームの勝率は5割ラインを行ったり来たり。復活のための調整で打席を与える余裕はなかった。

 「この時点で来年の契約に関する意見交換もされていました」(同)

 スタメン落ちしても、誰よりも早く球場入りし、黙々とバットを振り続けていた鳥谷。だから、若手からも慕われていたのだが、こんな情報も聞かれた。

 「若手を直接叱り、野球論、打撃論を語れるのは、福留孝介の方です。鳥谷に対し、来季の兼任コーチ就任の提案も出たみたいですが、せいぜい守備コーチでしょう。福留に対しては兼任コーチの話もありますが、作戦参謀的な打撃コーチも務まります。これでは鳥谷が格下になってしまいます」(前出・在阪記者)

 思えば、鳥谷の悲劇は’16年の「金本政権誕生」とともに始まった。パワー強化を掲げた金本知憲前監督は全選手にウエイトトレーニングを強要。柔らかくボールを捉える鳥谷の打撃にパワーはいらないため、これが一連の打撃低迷に繋がり、不慣れな三塁コンバートやスペア的な二塁手の練習も重なって追い込まれてしまったのだ。連続試合出場の記録をストップさせたのも、金本前監督だった。

 「岡田彰布氏のように、他球団で現役を終え、指導者として帰還するのも悪くない。掛布雅之氏のようにトラ一筋を貫くのも美学ですが…」(同)

 打点ゼロのベテランにチャンスを与えるとなると、他球団も鳥谷獲得に二の足を踏んでしまう。

 「ダメモトでメジャー挑戦をするかもしれません。招待選手として来春のキャンプに参加し、マイナー契約でも米国で野球をやるんです。元々、メジャー志望の強い選手だったし、将来のトラ帰還のためにも、勉強するなら他球団より米国のほうがいいし、彼のメンツも保たれます」(関係者)

 クールな鳥谷は成績不振を素直に受け止め、球団とは争わないつもりだという。さっそくフロントは引退グッズの検討に入ったとの情報も聞かれたが、鳥谷は虎一筋、2000安打を放った功労者だ。

 せめて、感情を逆撫でしないよう、円満な退団劇にしてもらいたいものだ。

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