「立浪親方(元小結旭豊)は早くから“隠れ貴乃花派”と言われ、今回の理事選でも立浪一門の意向に反して貴乃花親方に投票したと目されています。このため、一門内の怒りは大きく、破門にすべき、という強硬意見も飛び出しましたが、一向に足並みがそろわず、いまだ処分保留のまま。立浪親方も開き直っていると言われ、それがこの貴乃花グループの受け入れにつながったと見られています。立浪親方の事実上の貴乃花グループ入り表明だと話す関係者もいます」(担当記者)
これ以外にも貴乃花グループの動きが目立つ。2月1日に発足した北の湖新体制では、貴乃花親方が春場所担当に抜擢されたのを筆頭に、音羽山親方(元大関貴ノ浪)も協会内のエリートコースといわれる記者クラブ担当に任命された。もう1人の記者クラブ担当が、去年の名古屋場所で引退したばかりの1047勝の浅香山親方(元大関魁皇)であることをみても、いかに注目ポストかわかる。
「この貴乃花グループ引きたての裏には、北の湖理事長の遠大な協会操縦術が隠れていると見る関係者は多い。もともと北の湖理事長と貴乃花親方は同じ一代年寄同士で仲がいいということもありますが、最大野党の二所ノ関一門をけん制するために貴乃花グループを意図的に厚遇し、味方につけたと言われていますから」(二所一門関係者)
立浪部屋での連合稽古には、白鵬に加え時津風一門の錣山親方(元関脇寺尾)も参加した。錣山親方も今回の理事選で一門の意に反して貴乃花親方に1票を投じたといわれる1人で、実質的な貴乃花グループの第2次旗揚げの様相が濃い。
「なんだかんだ言っても貴乃花親方を慕っている若い親方や力士は多い。白鵬も、稀勢の里もそうだ。あと4、5年経ち、いまの小うるさい理事連中が入れ替わったら、貴乃花グループは間違いなく20〜30人の大勢力になる」(協会関係者)
いよいよ貴乃花グループが攻勢に転じた。