スポーツ紙記者が語る。
「台風19号の日本上陸に伴い、12、13日に予定されていた3試合が荒天のため中止となりました。これに各国のラグビー関係者が激怒しているのです」
特に紛糾したのが、イタリアの代表選手たちだ。
「12日に開催予定だったニュージーランド対イタリアの一戦は、イタリアが勝利すれば決勝トーナメント進出という重要な試合でした。中止となれば引き分けで戦わずして敗退確定なのに、日本ラグビー協会を中心とする組織委員会は中止という判断に至った。イタリア側が激怒するのは当然です」(同・記者)
今大会でイタリア代表を引退するパリセ主将は「台風の季節というのは分かっていた。代替案を考えておくべきだった」と、組織委を痛烈に批判した。
「台風ルートが外れた西日本で、無観客での試合開催はできたはず。事前にこうした事態を想定していなかったため、後手を踏んで対応できなかったのです」(日本ラグビー協会関係者)
運営の下手打ちと指弾されるのは仕方ない状況だが、今回の試合中止のニュースが世界中で報じられたことによって、スポーツライターは次のように懸念する。
「日本は台風が襲来しやすく、その場合は交通インフラが機能しないので、試合が開催できないという地理的ハンデが世界にバレました。ラグビーのみならず、サッカーや五輪などあらゆる国際スポーツの今後の誘致活動に支障を来します。少なくとも、イタリアは今後、日本には絶対に投票しないでしょう」
また、来年の東京五輪では外国人客の来場が見込まれていたが、「日本は台風が来るから試合が中止になる」というイメージが染みつけば、集客がガクンと落ち込むことにもなりかねない。
「東京五輪がガラガラとなれば、小中学生の動員が相次ぐでしょう。ただ、やり過ぎると高額のチケットを購入した一般客が『俺より、タダ見のガキの方がいい席で見てるじゃねーか』と揉めだします」(前出のスポーツ紙記者)
台風19号は、将来の日本のスポーツ界にも重大な影響を与えたようだ。