照屋 健吉
1949年(昭和24年)宮古島市生まれ。琉球大学大学院修士課程修了。沖縄テレビにて記者として勤務後、現在はOK不動産代表取締役。
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社会 2025年06月07日 12時00分
沖縄から400キロ離れた孤島にまで韓国人の慰安婦が 慰安婦たちの名前が刻まれたリスト 強制連行された可能性も
ラサ島と聞いてピンとくる方はかなりの事情通である。ラサ島は行政的には沖縄県島尻郡北大東村に属する沖大東島である。一番近い有人島の南大東島から南に160キロメートル、沖縄本島那覇市から南東約408キロメートル、面積1.1平方キロメートルの孤島だ。戦前は肥料の原料のリン鉱石を産出する島として最盛期には2000人の工夫が働いていたというから、戦前戦後を通じて沖縄県最大の鉱山であった。全島が東京都千代田区外神田に所在する上場企業ラサ工業の所有で、同社の社名の由来となっている。現在は、米軍の射爆場で立入ることはできない。リアルライブ編集部は、ラサ島の慰安婦について独自取材を行った。ラサ島位置図戦時中この島には陸軍の守備隊、海軍の電波監視隊等300人余が駐屯していた。陸軍の守備隊(森田隊)が1944年4月に上陸した当時は、リン鉱石の採掘の為、ラサ工業の社員らも在島していたが、米潜水艦による3度の砲撃、B24爆撃機による攻撃など戦局の窮迫で在島のラサ島社員ら500人余は1945年1月下旬までに順次退去した。それに先立って1944年11月の船便で慰安婦7人が送られてきた。森田芳雄守備隊長(陸軍中尉)は著書「ラサ島守備隊記」で「突然厄介なシロモノがやって来た。番頭の卜部某というものにつれられた韓国人7人の慰安婦のことだ」と当惑の感想を記している。筆者は戦後50年の節目の年に沖縄戦関連の資料収集過程で森田氏の「ラサ島守備隊記」に出会い、会社の会長を務めていた東京在住の森田氏からラサ島の様子について聞くことができた。森田氏は、守備隊の日々の記録をしたためた陣中日誌を引き上げの際に密かに持ち帰り、その記録を基に島の風物、生活、戦闘の状況、住民との関係、慰安婦などを著書「ラサ島守備隊記」に仔細に記していたのである。陣中日誌には慰安婦のリストも一覧表にしてまとめてあることが分かった。慰安婦リストが存在していることを指摘した研究書をネットで探したが、見つけることができなかった。今回公開することにしたリストは、沖縄県公文書館、防衛省戦史室の二箇所で閲覧できる。リストには本籍、氏名、芸名、年齢、旧楼名が書いてるのはご覧の通りである。いかにも商売を思わせる旧楼名所属は5人、19歳の二人には所属がない。このリストが何を意味するか研究者でない私には分析できない。慰安婦リスト森田氏によると、引率の卜部氏は、故郷が同じ福岡県。南方に行こうと沖縄まで来たとき第32軍司令部の参謀からラサ島は緑の天国別天地だと勧められてれてきたが、当てが外れたと嘆いていたそうだ。ともあれ、慰安所は1944年11月26日から西海岸部落北端職員長屋の空き家において営業を開始した。しかし、船便の補給が続かず、兵士も給料を貰えないために、2カ月程度で開店休業となり、女性たちは軍の使役となり食料を支給されて引き上げまで過ごしていたようだ。引き上げの際には、女性の一人と恋仲になった将校が、二人で島に残ると申し出たが、説得して連れ帰ったと森田氏は話していた。森田氏は当時を回想し「女性たちと互いに恨みっこなしに別れた」と回顧。陣中日誌は帝国陸軍作戦要務令で作成を義務付けられている公文書で、軍機に属するために敗走した日本軍陣地から米軍が回収したものがわずかに残っているだけで、系統だって現物が残っているのは森田氏の陣中日誌のみで貴重な沖縄戦の記録となっている。1995年は戦後50年で村山談話などもあり、時あたかも韓国との間で微妙な時期で、慰安婦のリストがある陣中日誌について、森田氏は表に出したくないように見えた。森田氏はかつての上官や防衛省戦史室の意見も聞きながら、陣中日誌の原本を沖縄県公文書館に、その精巧な写しを防衛省戦史室に寄贈した。取材・文/照屋健吉 リアルライブ編集部
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社会 2025年05月17日 10時50分
豊かな海、埋め立てるべきか相克する沖縄
沖縄県浦添市西海岸に隣接するショッピングセンター「サンエーパルコ」から見下ろす海は、都市部に残る亜熱帯の豊饒(ほうじょう)な海である。この海が那覇港湾施設こと通称「那覇軍港」の移設先に決まり、49ヘクタールの広大な埋立て前の調査作業が進行中である。県内には自然が残る貴重な海を埋め立てるべきではないとの根強い反対論があるが、防衛省、県、那覇市、浦添市が2023年4月20日に那覇軍港の代替施設設建設「浦添軍港」に合意した。現在、防衛省が岩盤の強度を調べるボーリング調査などを実施している。リアルライブ編集部では、独自で現場取材を実施した。浦添軍港案 防衛省のホームページより事の始まりは、那覇市のど真ん中に位置し56ヘクタールの広大な面積を有する米軍那覇軍港を半世紀前に日米が返還合意したことである。返還に当たり、米軍が代替港湾施設を要求して行き先を見付けられずにいたのである。米軍は基地返還に当たっては基地機能の維持を理由に代替施設を要求する傾向がある。読谷村(よみたんそん)にあった電波傍受施設の楚辺通信所、通称「象の檻」は、キャンプハンセンの奥深くに移設された。普天間飛行場は移設条件が付き、市民運動の反対に直面しながらも辺野古で工事が進行しているのはご承知の通りだ。浦添軍港案広域 防衛省のホームページより米軍は陳腐化した基地機能の更新強化、日本政府は安全保障上のチョークポイントと言われる沖縄にアメリカ軍を引き止めるメリットがあるようだ。移設先の浦添市は、埋め立てを最小限にするために長い間、抵抗の姿勢を示していたが、南側に縮小して移設することを条件に防衛省、県、那覇市と合意にこぎ着けた。松本哲治浦添市長は、軍港受け入れは本意ではないとの意向をにじませながらも「返還されるキャンプキンザーの再開発への国、県の協力を得るために苦渋の決断だった」と話していた。一方で沖縄県の玉城知事は普天間基地の辺野古埋め立て移設には強く反対しているが、同じ海を埋め立てる浦添軍港には同意している。この矛盾した二重基準には支持母体から疑問が呈されている。代替地に選定された浦添西海岸は、陸地側の兵站基地、キャンプキンザーの返還が決まり、夕日が見える都市型リゾートとしての発展が期待されている場所である。市民のいこいの場となっている海を維持したいとする心の叫びの一方では、悪化する安全保障環境に協力することで得られる経済的利益の戦いが始まろうとしている。遠い将来に米軍の駐留が終わると港湾施設という巨大なインフラが残るメリットが救いかもしれない。取材・文/照屋健吉 リアルライブ編集部
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社会 2025年05月02日 19時29分
沖縄で新たなテーマパーク「JUNGLIA OKINAWA」今夏オープン パークエリアとスパエリアの2つで構成
沖縄県北部のテーマパークJUNGLIA OKINAWA(ジャングリア沖縄)が、いよいよ今年7月25日オープンする。不振の「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」を成功に導いた森岡毅氏が長年温めていた事業だ。リアルライブ編集部は、独自で現場取材を敢行した。森岡氏はUSJ執行役員時代に沖縄北部の自然環境を生かしたテーマパークを構想したが、同社の賛同を得られずに頓挫していた。独立した森岡氏は株式会社刀を設立、代表取締役兼CEOに就任、満を持してJUNGLIAを開業する。那覇空港から北に約80キロ、車で1時間30分、名護市、今帰仁村(なきじんそん)、本部町(もとぶちょう)にまたがるオリオンビールが所有していたゴルフ場跡地に場所を定めた。現場を見に行ったが、目隠しした工事現場には多くの車両が蝟集し、突貫工事で開業準備をしていることが分かる。沖縄北部は、美ら海水族館、熱帯ドリームセンター、やんばる国立公園(同、世界自然遺産)、ユネスコの世界文化遺産今帰仁城跡など、観光資源が眠っていると指摘されていた。その中では、全国の水族館で最も入場者(年間約360万人)を集める人気の美ら海水族館が孤軍奮闘しているのが現実であった。新たに、JUNGLIAが開業することで、観光客が劇的に増加すること期待されている。JUNGLIA は、主にパークエリアとスパエリアの2つで構成されている。パークエリアは、未開の原始林に恐竜が徘徊する未知の世界を再現するなど盛りだくさんのアトラクションを存分に楽しめるエリア。パークエリア、公式サイトよりスパエリアは、やんばるの山々と自分自身が溶け合うような贅沢を堪能できるエリア。1日かけて両エリアを楽しむもよし、2日滞在して1日ずつエリアを満喫するもよしのワクワク感一杯の施設、サービス内容となっている。スパエリア、公式サイトよりJUNGLIAの開業を当て込み本部町では道の駅を新たに整備する。久米島オーシャンジェット社も那覇本部間に高速のジェットフォイルを運行し、約50分で結ぶ計画を発表している。沖縄県の観光関係者は、観光客が来る可能性の高い北部で回遊する未来像を描くが、課題もある。沖縄県への観光客は宮古八重山の離島も加えて約1000万人であり、その内どれだけの観光客を吸引できるかである。また、東アジアに近い立地を生かしてインバウンド客を集めることが出きるかであろう。従来この地域は、美ら海水族館見学後の観光客が、宿泊に繋がらず地域振興の課題として久しく指摘されてきた。大型テーマパークの開業で宿泊客が増えるのではないかと期待する声は多い。あたかも細長い風船が根元までふくらむように。フードメニュー、公式サイトより取材・文/照屋健吉 リアルライブ編集部
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2025年05月02日 19時29分
