「試合途中、ダルと大野はサインも変えています。大野のサインに首を振り続け、平常心を失い、捕逸のミスまで誘ってしまいました。ダルは投げたい球種を投げ、それで抑えてきた天才肌。球場の特質、環境の変化などに対する適応能力も高いが、神経質な一面もある」(日ハム担当記者の一人)
また、覚悟しなければならないのが、米南部の土地柄だ。事実、米メディアの一部ではイラン人の父を持つダルへの人種差別を指摘する声もあった。前出・友成氏は「レンジャーズに在籍した日本人投手はダルが初めてではないし、大塚や伊良部の時代にさかのぼっても、その手の話はなかった」という。
しかし、現地特派員の一人は「バッシングの質が違う」という。メッツ時代、かつて松井稼頭央が餌食にされたように「ミスをした選手、期待外れに終わった高年俸選手」に対し、米メディアとNYのファンは容赦しなかった。しかし、テキサスのバッシングは、こうしたファンとは異なり、日本では考えられないような報道もされている。
「レ軍には'10年ア・リーグMVPのハミルトンがいます。彼はアルコール中毒、薬物中毒から再起した経歴があり、今では完全に立ち直っています。しかし、'09年のキャンプ前、彼が上半身裸になってナイトクラブで騒いでいる写真が報じられたんです。それも、『飲んだくれてコカインを欲していた』と…。しかし、調べてみたら、写真はかなり以前のものだということ判明した」(同特派記者)
全てのメディアがそうだとは言わないが、“悪意”のある報道も少なくないのだ。
「私も現地に行ったことがありますが、9月夜なのに気温が32度もあって、まさに“ダラスの熱い日”でした。空調の効いたドーム球場から高温乾燥の野外球場への移籍ですから、体調管理も大変だと思います」(友成氏)
本来ならば、栄養や健康を管理してくれるのが紗栄子夫人。だが、離婚や慰謝料問題も未解決。ダルのテキサス行きは不安要素いっぱいと言わざるを得ない。