新監督の過度なメディア露出に疑問の声を投げかける関係者もいるのだ。
「栗山、中畑両監督に共通しているのは、まだ選手との接触が薄いのに、メディアに対していろいろとチーム構想を語っていることです。選手側はまだ解説者としてのイメージしかない。どういう野球をやりたいのか、目指すのか、直接は会えないから、スポーツ紙で探るしかないのです」(同)
去る12月12日、都内ホテルで『ジョージア魂賞』の表彰式が行われた際、会場には“選考委員”の栗山監督がおり、話題は来季の戦力構想がメーンとなった。
「(中田)翔には優勝チームの4番、まずはそのタイトルを与えてあげたい!」
栗山監督は“熱く”語っていた。当然、同表彰会場に来ている中田翔を意識してのコメントである。しかし、それを記者団から伝え聞いた中田は、冷めていた。来季の4番には口元が緩めだが、「とにかくチームに貢献できるよう…」と返すだけだった。
「栗山監督のメッセージが空回りしたのは、中田のケースが初めてではありません」(スポーツ紙記者)
ダルビッシュ流出後のチーム構想として、中田が4番なら、新エース候補は斎藤佑樹である。話は1カ月ほど前にさかのぼる。
「もっとボロボロになる姿を見たい! 責任を持って最後まで(9回)投げられるように!」
監督就任が正式発表されて間もない11月13日、千葉・鎌ケ谷での秋季練習を見学した栗山監督は、斎藤に向けて前述のような注文を出したのである。
「斎藤の練習ぶり? 彼は良くも悪くも自分を持っていますからね。放っておいても本番までに体調をベストに持っていけるのは長所ですが、端からその練習ぶりを見ていると、30代半ばのベテランみたいで、覇気がないんです。ガムシャラな姿をチームメイトに見せなければ、エースとして認められないという栗山監督の指摘は正しいと思います」(球界関係者)
栗山監督は斎藤をわざわざ呼び寄せ、その旨を伝えていた。しかし、“優等生”の斎藤は「1年間どうだったかと聞かれました。何でも言ってきてくれと言われた」と、報道陣に会談の内容を説明。その淡々とした表情から察するに、栗山監督のメッセージは響いていないようだった。
FA補強やリーダーシップの発揮と、新監督には問題が山積み。来シーズンはどの監督の口から「絶好調!」の声が聞こえるのか、今から楽しみだ。