社会 2025年11月12日 11時07分
真実相当性、虚偽の認識の有無が争点に 橋下徹氏「警察、検察はチャレンジの案件だ」
元大阪府知事・元大阪市長で弁護士の橋下徹氏は11日放送のフジテレビ系「旬感LIVEとれたてっ!」に出演。兵庫県の内部告発文書問題にからみ、自死した竹内英明元県議に関する虚偽情報を拡散して名誉を毀損したとして、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者が9日、兵庫県警に名誉毀損の疑いで逮捕されたことに触れ、「警察はチャレンジしている」と立件の難しさについて言及した。立花容疑者は竹内氏が亡くなる前後の、昨年12月と今年1月に、演説やSNSで「警察の取り調べを受けているのは間違いない」「明日逮捕される予定だった」などの虚偽の情報を発信し、元県議の名誉を傷付けた疑いが持たれている。逮捕容疑となった発言は竹内氏の「生前」と「死後」に分かれているが、死者に対する名誉毀損罪の成立には通常より厳格な要件があり、立件のハードルは高いといわれる。橋下氏は「死者の名誉毀損罪は虚偽の事実の摘示が重要な要素なので、これが虚偽だ、うそだということを確定しなきゃいけない」と指摘。その上で「発言が一線を越えたら罪になることは間違いないけど、今、『竹内さんが捜査対象になっている。逮捕されるんじゃないか』と言ったことがうそだとなっている。でも、地上波のコメンテーターでいろんな政治家に対して、何か疑惑案件があると、『捜査の手が及んでいる』とか『立件間違いない』とか、コメントする人もいっぱいいますよ。それでも立件されていない。そういう発言と今回の立花さんの発言はどこがアウトだったのかはっきりしなきゃいけない」と説明した。さらに「警察のほうはかなりチャレンジしてます。虚偽の事実プラスはっきり虚偽だということを認識しておかないと罪にならない。おそらく立花さんは、自分はうそだとは認識していなかったと、いろんなところから情報提供を受けてやったんだという反応をしてくるので、かなり警察、検察はチャレンジの案件だなと思います」と語った。実際、立花容疑者に接見した弁護士は11日、立花容疑者は昨年12月の発言について「真実相当性はあった」、死亡後の投稿については「虚偽の認識はなかった」と主張し、いずれも違法性はないと述べていることを明かしている。名誉毀損容疑は在宅捜査が通例の中、異例の逮捕に踏み切った兵庫県警。死後の名誉毀損の有罪判決はないといわれるだけに、今後の展開が注目される。